Lv15 旅立ち
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フフ」
何か分かったようだが、俺にはサッパリであった。
続いてサナちゃんが俺に話しかけてきた。
「あ、あの……コータローさん。1つ、お聞きしたいことがあるのですが……」
「聞きたい事? なんだいサナちゃん」
「コータローさんが今着ておられるローブですが、私は以前、そのローブの胸に描かれた紋章を見た事があるのです」
「へぇそうなんだ。で、これがどうかしたの?」
「以前見た古の文献に書いてあったのですが、その紋章はサレオンの印といって、古代魔法王国・カーぺディオンの王が、全ての魔法を極めんとする賢者達に与えた印だと、そこには書かれていたのです」
「サレオンの印……古代魔法王国・カーぺディオン……か」
初めて聞く名前だ。
サナちゃんは続ける。
「それでお聞きしたいのは、そのローブをどこで手に入れたのか教えて貰いたいのです。あの文献に書かれていた事が本当ならば、そのローブは……賢者の衣と呼ばれる物かもしれませんから」
これは予想外の質問だ。
さて、どう答えようか……。
とりあえず、当たり障りない嘘でも言っておくとしよう。
「これはマルディラントの2等区域にある露店で買ったんだよ。そこの店主曰く、古代遺跡を探索している冒険者から買い取ったそうでね。俺もこれを見た時に、ただのローブじゃないなと思ったから、すぐに購入したんだ。ただそれだけだよ」
ヴァロムさんが以前言っていた話をアレンジしただけだが、まぁこんなとこでいいだろう。
だがサナちゃんはそれを聞くなり、曇った表情を浮かべたのである。
「そうですか……では、沢山売られているわけではないのですね。……残念です」
「サナちゃんは、古代魔法王国の遺物でも探してるのかい?」
するとサナちゃんは、歯切れ悪く返事をした。
「いえ……そういうわけではないのですが……」
この様子を見る限りだと、言いにくい事情があるのかもしれない。
と、そこでレイスさんの声が聞こえてきた。
「コータローさん、すまないが、地図でガルテナまでの道順を今一度確認してもらえるだろうか? 街道の分岐点はまだだいぶ先だとは思うが、念には念を入れておいた方がいい。それに、この辺の魔物は弱い上に臆病なので、この街道にはあまり近づいてこない。だから今の内に、確認作業をしておいた方が良いと思うのだよ」
「それもそうですね。わかりました。では確認しておきます」
俺は座席に置いてある地図を広げると、ガルテナまでの道順を再度確認する事にした。
ちなみにこの地図は、アーシャさんがマルディラント守護隊の詰所から、黙って借りてきた物らしい。
相変わらずやる事は強引だが、この地図は守護隊が使っているだけあって、見やすくて良い物であった。
なので、アーシャさんには一応感謝しているのである。
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