Lv15 旅立ち
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度に、小さくなって遠ざかる街並みを見てきた為、大人になった今でさえ、非常に寂しいモノのように俺は感じてしまうのである。
以上の理由から、俺は少し感傷に浸っていたのだが……そんな俺とは対照的に、ウキウキしている人物が隣にいるのであった。
それはアーシャさんである。さっきからアーシャさんは、やたらとテンションが高いのだ。
そして、今も尚、目を輝かせながら、俺に元気よく話しかけてくるのである。
「ねぇねぇ、コータローさんッ。あれ見てくださいよ、スライムですわ。私、野生のスライムなんて初めて見ました。それと向こうにいるのは、一角兎とかいう魔物ですわよ。魔物図鑑で見た姿と同じですッ」
スライムと一角兎がいるのは分かったが、俺にはアーシャさんのハイテンションぶりの方が驚きであった。
「そ、そうなんですか。でも、俺からすると、野生じゃないスライムの方が気になりますが……」
「んもう、何を言ってるんですの。そんな事より、ほら、あそこにも」
アーシャさんはまるで、遠足に来た子供のような喜びようなのである。
今まで箱入り娘だったので、その反動が来ているのだろうか?
俺はふとそんな事を考えたが、仮にもしそうならば、普段は貴族の威厳を保ちつつ自分を抑えていたという事なのだろう。
もしかすると、案外、これが本当の姿なのかもしれない。
今のアーシャさんを見ていると、そう思わずにいられないのであった。
はしゃぐアーシャさんを見たシェーラさんは、暫くすると俺に話しかけてきた。
「ねぇ、コータローさん。アーシャちゃんて旅は初めてなの?」
「初めてではないんですが……でもまぁ、考えようによっては、初めてみたいなもんですかね」
「ふ〜ん、そうなんだ。ところで、2人はどういう関係? 恋人同士? それとも魔法使い仲間?」
シェーラさんは興味津々といった感じであった。
「その選択肢だと、魔法使い仲間ですかね」
「なぁんだ、そうなの。予想が外れちゃったわね、残念。でも、あんまり仲がいいから、てっきり2人は恋人同士なのかと思ったわ」
「まぁ確かに、良く知った間柄なので仲は悪くないですが、俺達はそういう関係じゃないですよ。ね? アーシャさん」
俺はそう言うと、アーシャさんに視線を向ける。
するとアーシャさんは、頬を赤くしながら顔を俯かせていたのである。
(どうしたんだろう、一体……車酔いか?)
少し心配なので俺は訊いてみた。
「アーシャさん、どうかしました? 大丈夫ですか?」
「い、いえ……なな、何でもありませんわ。ちょっと外の様子に感動したものですから」
アーシャさんは慌ててそう言うと、また外に目を向けた。
だがそれを見たシェーラさんは、意味ありげにニコニコと微笑んだのである。
「ああ、そういう事ね。なるほど。フ
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