Lv15 旅立ち
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にガッツポーズをした。
この様子だと、かなり心身充実しているみたいである。頼もしい限りだ。
「さて、それじゃあ出発する前に、向こう見えるイシュラナ神殿で、旅の安全をお祈りしてから行きましょうか」
4人は頷く。
「それもそうだな。我々は女神イシュラナの信者ではないが、この国で信仰する神だ。安全の祈願くらいしておいても損はないだろう」
そして俺達は、イシュラナ神殿で旅の安全祈願をした後、北に向かって馬車を走らせたのであった。
[U]
俺達はカタカタと馬車に揺られながら、どこまでも続く街道を北へと進んで行く。
この街道は馬車が通るのを前提に整備されているようで、馬車同士が擦れ違いできるくらいに幅も広い。日本の公道を例えで言うなら、2車線道路といったところだろうか。
だが馬車街道でもあるので、アスファルトで舗装された道路のような綺麗な路面ではない。
多くの馬車が行き交った事で形成された4本の轍が、はっきりと見える道なのである。
また、この街道には俺達の他にも、馬車や馬に跨る旅人達の姿が沢山あった。
しかも、商人や冒険者、ならず者、旅芸人みたいな者達等……それはもう色々とバラエティにとんでいるのだ。
恐らくこの街道は、マルディラントと北側地域との物流を支える主要な道なのだろう。
それほどに多くの人々が行き交っているのである。
前方に目を向けると、街道の他にも、緑あふれる広大な草原や雑木林が視界に入ってくる。
それらは朝の優しい日差しを浴びる事によって、活き活きとした輝きを放っていた。
また、時折吹く優しい風が、それら草木をそよそよと靡かせ、心地よい穏やかな光景を作り上げているのである。
爽やかな朝の風景……その言葉がピッタリな光景であった。
新しい冒険の幕開けに相応しい、何かを感じさせる景色である。
これがゲームだったならば、あの有名なドラクエのオープニングファンファーレが聞こえてくるに違いない。
後方に目を向けると、徐々に小さくなってゆくマルディラントの街並みが、俺の目に飛び込んできた。
だがそれを見た途端、俺は少し寂しい気分になってきたのである。
実を言うと俺は、この去りゆく街並みというのが、どうにも苦手なのだ。
俺は子供の頃からそうであった。いや、子供の時のある体験からそうなったと言うべきか……。
とにかく、あまり好きではないのである。
で、その体験とは何かというと……それは、俺が小学生だった頃にまで遡る。
当時、俺の親父は転勤族だったので、家族が1つの場所に根を下ろして生活するというのがなかった。
その為、折角できた友達とも、1年ないしは2年でお別れするという物凄く辛いイベントが、子供の頃の俺には何回かあったのだ。
そしてその
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