Lv14 旅の仲間
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ュノンの月であったか……。
今でもあの時の事は鮮明に覚えておる。
最初、ベルナ峡谷で気を失っているお主を見つけた時は、てっきり魔物に襲われたのかと思っておった。
そして、目を覚ましてから奇妙な事を口走るお主を見た儂は、襲われた時の恐怖心により、頭の中が混乱しているのだろうと考えていたのだ。
じゃがその後、お主と会話を重ねるにつれ、なぜか分からないが、それが本当の事ではないかと最近では思うようになってきた。
お主は不思議な男である。
この国の常識等は全く分からぬのに、儂でも初めて聞くような事を沢山知っておる。
チキュウ・ニホン・トーキョー・ジドウシャ・パソコン・コンビニ……そして幻の大地とかいう御伽噺じゃったか……。
他にもまだあったが、本当にあるのならば、ぜひ見てみたい物ばかりじゃ。
しかし……儂は時々考えるのじゃよ。
最初はアマツの民か、もしくはその血を引く者かとも思うたが、実は、お主はこの世界の住人ではなく、まったく別の世界の住人なのではないかとな。
そして、こうも考えるのじゃ。
この世界を取り巻く大いなる存在によって、お主は儂の元に導かれたのではないかと。
まったくもって、馬鹿馬鹿しい話じゃがの……。
まぁいずれにせよ、お主が一体どこからやってきたのかという疑問は、今も尚、気になるところではある。が……儂は詮索するような事はしない。
いつの日か、お主自身が語ってくれると儂は思っておるからの。
それまで気長に待つつもりじゃわい。
さて、では次にいこう。
お主が初めての洗礼を行った時の事じゃ。
あの時、王位継承候補者しか使えぬ電撃の呪文をお主が修得したのを見て、儂は不思議と運命的な巡りあわせのようなモノを感じた。
それだけではない。儂は直感的に、お主を鍛え上げて一人前にする事が、自分に与えられた使命のようにも感じたのじゃ。
だから儂は、魔法使いとしての真髄をお主に修得させようと、普通の術者ならば逃げ出すであろう程の厳しい修練をこれまで課してきた。が、実を言うと、耐えられるかどうかが、少々不安ではあった。
しかし、お主はそれらを見事に克服し、乗り越えてくれた。
そして、今やお主はもう、一人前の魔法使いと呼んで差支えがないところにまで成長したのじゃ。
儂もこれまで何人かの者を指導してきたが、わずか1年足らずで、ここまで成長したのはお主が初めてじゃわい。素晴らしい魔法の才じゃ。
とはいっても、儂から見ればまだまだじゃから、これからも精進を続けねばならぬがの。
じゃが、驚かされたのはそれだけではない。
以前、陰ながらこっそりと、お主が毎朝行っている魔物との実戦訓練を見させてもろうたのだが、儂は驚いたぞい。
剣士のような戦い方をする魔法使いというのを初
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