Lv12 精霊王
[7/11]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
理由って?」
「実はな、我がイデア神殿に封印される前、精霊王は確かこんな事を言っていたのだよ。『ミュトラが施した九つの封印を解く前に、邪悪で強大な敵が必ず立ち塞がるだろう。この武具や道具は、その助けになればと思い、そなたと共にここに封印しておく。そして試練を乗り越えし者が現れた時、その者にこれを渡してもらいたいのだ』というような事をな」
ヴァロムさんは腕を組み、顎鬚を撫でた。
「邪悪で強大な敵か……。確かに、その可能性はあるじゃろうの。そういう事ならば、使いどころを間違えんようにせねばならぬかものぅ……」
「うむ。我もヴァロム殿と同意見だ。これらの品々は、この先に待ち受ける戦いに備えておいた方がよいと思うぞ」
確かに、2人の言うとおりなのかもしれない。
よくよく考えてみると、精霊王の贈り物は、戦いに役立つ物ばかりであった。
その為、先に待ち受ける厄介事用にストックしておくのも、1つの手段なのである。
「オルドラン様、その中にある武具に関しては、私はそれほど関心は無いので別に要りません。ですが、祈りの指輪を1つとキメラの翼を幾つか頂きたいのです。よろしいでしょうか?」
ヴァロムさんは目を閉じると言った。
「これは、試練を乗り越えたコータローとアーシャ様が本来貰うべき物じゃ。儂には関係ない物じゃから、2人で決めたらどうじゃ?」
ヴァロムさんの言う事も一理ある。
というわけで、俺はアーシャさんに言ったのである。
「俺は別に構いませんよ。なんなら、キメラの翼は全部持って行ったらどうですか」
するとアーシャさんは意外に思ったのか、凄く驚いた表情をしていた。
「え、全部貰っていいんですの?」
「はい、構いませんよ。風の帽子もありますし」
だが今の言葉を聞くなり、アーシャさんは眉根を寄せて、怪訝な表情を浮かべたのであった。
「はい? ……今のはどういう意味ですの?」
(あ、しまった……俺はつい余計な事を言ったみたいだ。どうやって誤魔化そう……)
などと考えた、その時であった。
ラーのオッサンが、更に余計な事を言ったのである。
「ああ、それはな。風の帽子にはキメラの翼と同じ能力が秘められておるのだ。しかも、一度しか使えないキメラの翼と違って、何回でも使える。まぁ要するに、非常に便利な魔道具という事だな」
それを聞くなり、アーシャさんはキラキラと目を輝かせた。
「という事はですよ、ラー様……風の帽子を使用しても、キメラの翼と同様、色んな所へ一瞬で行くことが可能なんですのね? 何回も使えるんですのね?」
「まぁ確かにそうだが、使用者が一度行ったところでないと駄目だがな」
「ラー様、それは文献で見たので存じております。ですが、風の帽子という物にそんな力があったとは知りませんでしたわ。ウフフッ……そうですか
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ