Lv12 精霊王
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自分の事をヴァロムさんに話し始めた。
自分が真実を映し、まやかしを打ち破る鏡であるという事や、ラーの鏡を手にするに相応しいかどうかを見極める精霊王の試練の事、その昔、自分が人々から太陽神と崇められていた事等を……。
また、これは俺も初耳であったが、5000年もの間、あの神殿の中にいたという事や、ラーのオッサン自体が光の精霊であるという事等を説明してくれた。
そしてヴァロムさんは、目を閉じて静かにしながら、それらの話に耳を傾けていたのである。
「――まぁ簡単に説明すると、こんなところである。理解してもらえたかな、ヴァロム殿」
ヴァロムさんは顎に手を当てて頷いた。
「そうであったか……。大体、わかったわい。ところで今、精霊王という言葉が出てきたが、精霊に王がおるのか? 儂も精霊というモノの存在は知っておるが、それは初めて聞く」
「ヴァロム殿の言う通りだ。精霊王は、精霊界の頂点に立つ存在である。まぁ我等の様な精霊と違って、人々の前に現れたりする事は殆どないので、お主達が知らぬのも無理はないがな」
どうやら、精霊界というものがあるみたいだ。
俺はそれを聞き、ドラクエXでその類の話があったのを思い出した。が、良く考えてみると、あれは妖精界というカテゴリだったか……。
まぁそれはともかく、そういった世界があるという事なのだろう。
「ふむ、精霊王か……どうやら、人の身では会う事すらままならぬ、神の如き高位の存在のようじゃな。そして儂等人間は、それすら知ることなく一生を終えるのじゃろう……」
「まぁ確かにそうだが……とはいえ、まったく人々と関わりが無いというわけではないぞ」
「は? どういう意味だ」
俺は首を傾げた。
「精霊王リュビストは、太古の昔、全ての知的種族に文字と魔法を教えた存在でもあるのだ。だから、お主等は知らぬだろうが、この地上界における文明の発展と繁栄に大きく関与しているのだよ」
その言葉を聞き、ヴァロムさんは目を大きくした。
「リュビストじゃと……。では、古代リュビスト文字とは、精霊王が作り伝えた文字だというのか?」
「古代リュビスト文字? 古代の部分はともかく、リュビスト文字はその名が示す通り、精霊王リュビストが作った文字の名だ。そしてイデア神殿に刻まれている文字が、そのリュビスト文字である。古代リュビスト文字とやらが、その事を言ってるのであれば、それは精霊王が作った文字で間違いないだろう」
「なんと……むぅ」
今の内容に驚いたのか、ヴァロムさんは低い唸り声を上げた。
どうやらヴァロムさんも、初めて聞く事なのかもしれない。
オッサンは続ける。
「それと言い忘れたが、この文字は我等精霊と意思疎通を図れる唯一の文字でもある。だから、精霊の力を借りたいならば、覚えておいた方が良いぞ」
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