Lv10 ラーの鏡
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漆黒のローブを身に纏った2体の不気味な存在は、俺達へゆっくりと近づいてきた。
俺とアーシャさんは奴等の動きに合わせて、ある程度の間合いを取りながら後退してゆく。
それから俺は、すぐに撤退できるよう、入ってきた扉へと視線を向けたのである。が、しかし……俺はそこで我が目を疑った。
なぜなら、今入ってきた黒い扉が、どこにも見当たらないからだ。忽然と姿を消していたのである。
「アーシャさんッ、大変です。入ってきた扉が消えていますッ!」
「何ですってッ」
アーシャさんはそこをチラ見した。
「ほ、本当にありませんわ……という事は、もう進むしかないのですね……」
「ええ……そうみたいです」
どうやら、この試練を作った何かは、俺達に後戻りを許さないみたいだ。
(はぁ……マジかよ。こんな展開は聞いてないぞ……生きて帰れるんだろうか、俺……)
閉じ込められた不安感を抱きながら、俺は前方に佇む不気味な存在と対峙する。
だが、こいつ等の不気味さに気圧されて、俺とアーシャさんはジリジリと後退を余儀なくされていた。
(後退ばかり続けていても仕方がない。すぐに後が無くなる。それに俺達の目的は、こいつ等を倒す事ではなく、黄金の扉の向こう側に行くことだ。なんとか掻い潜って、扉まで行かないと……。それはともかく、この不気味な黒い化け物は何なんだいったい……。こんな敵は、俺がプレイしてきたドラクエには出てこなかった気がする……でも、今の状況から考えて、あの声が言っていた立ち塞がる困難というのは、こいつ等でまず間違いないだろう……チッ……面倒な事にならなきゃいいが……)
俺はそこで、背後の壁をチラッと見た。
今の俺達と背後の壁までの距離は、凡そ15mといったところであった。
早めに対処を考えないと不味い状況である。
と、そこで、アーシャさんが話しかけてきた。
「コータローさんは、どんな魔法を使えるのですか?」
「……俺が使えるのはメラとホイミだけです。ですから、はっきり言ってレベルは低いですよ」
他にデインという魔法も俺は使えるが、あれは人前での使用を禁じられているので、あえて名前はださないでおいた。
「……来る時にオルドラン様も言ってましたが……ほ、本当に入門したてなんですのね」
「はい、その通りです。ペーペーです。ド素人です」
俺はそう答える事しかできなかった。
アーシャさんは少しがっかりしてたが、事実なので仕方ない。
今のこの状況で、知ったかこくわけにはいかないのである。
俺も訊いてみた。
「アーシャさんはどんな魔法使えるんですか?」
「私は、メラとヒャドとスカラ、そしてピオリムの4つですわ」
俺よりも良い呪文を使えるみたいである。
この辺りの呪文を使えるという事は、ド
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