Lv9 試練の道
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青い煙の渦によって俺とアーシャさんは、石版のあった大広間ではなく、全然知らない違う場所へと運ばれてしまった。
渦はもう消えてしまったが、今の現状を考えると、どうやらアレは旅の扉だったのかもしれない。
理解できない現象ではあるが、俺はとりあえず、そういう風に解釈する事にしたのであった。
ここがドラクエの世界ならば、それが一番しっくりくる考え方なのである。
だがとはいうものの、俺の記憶が確かならば、旅の扉は基本的に、据え付け型の転移装置だった気がする。いや、場合によっては消えたりすることもあったような気もするが……。
ともかく、その辺の事が俺も曖昧なので、はっきりと断言はできないのだ。
しかし、アレが旅の扉だとすると、ジタバタしたところで仕方ない。
なぜなら、出入り口となる渦が消えてしまった以上、もう俺達にはどうする事も出来ないからである。
俺は気持ちを切り替えて、これからの事を考えることにした。
だがその時、俺は今の自分に対して、少し不思議に思ったのである。
なぜならば、こんな事態になったというのに、俺は妙に落ち着いているからだ。
この世界に来た頃の俺ならば、今の状況だと、確実に慌てふためいていた事だろう。
だが、なぜかわからないが、この異常事態に対して、驚くほど冷静に物事を見ている自分がいるのであった。
やはり、この世界に来て3週間近く経過してるのが、かなり大きいのかもしれない。
魔物や魔法といった非現実的なモノにも直に触れてきたので、こういった超常現象に対しての免疫がついてきてるのだろう。
またその他にも、ここがドラクエの世界だと俺自身が認識している事も関係しているように思う。なぜなら、ドラクエの知識や常識ならば、もう既に、俺はそれなりのものを持っているからだ。
そういった安心感もあるので、こんなにも落ち着いてられるんだろう。俺はそう考えたのである。
まぁそれはさておき、今は現状を把握する事の方が先決だ。
というわけで、俺はまず、部屋の様子を確認する事にしたのである。
室内を見回すと、四方を囲う白い石壁と、そこに1つだけ設けられた銀色の扉が視界に入ってくる。金属製と思われる銀色の扉は、ドラクエでよく見かけるアーチ状のモノであった。それと、部屋の形状は正方形で、壁はレンガのような白い石を幾重にも積み上げて造られており、ドラクエらしい、中世ヨーロッパ的な雰囲気が良く出ている壁面であった。
こういう壁を見ると、ドラクエに出てきた城や神殿をついつい思い浮かべてしまうが、今はそんな妄想をしている場合ではない。まずは現状把握が第一だ。
ちなみにだが、今見た感じだと、この部屋の壁には、銀色の扉が1枚ある以外、他には何もないようであった。
窓や通気口と
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