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Dragon Quest外伝 〜虹の彼方へ〜
Lv8  太陽神
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あえず、アーシャさんについては適当に流しとこう。
「ええっと……知性と勇気とその精神を我に示せ……の事ですよね。ン〜、そうですねぇ……」
 俺は古畑○三郎のような仕草をしながら暫し考えてみた。
 これがゲームならば、もう少し気の利いたヒントがありそうだが、今まで見た感じだと、これ以上のヒントは何も無いようである。
 もしかすると、この石版に書かれている内容で、何か見逃している事や間違った解釈をしている可能性があるのかもしれない。
 というわけで、ヴァロムさんに訊いてみる事にした。
「ヴァロムさん。この石版に書かれているのは、太陽神・ラーの話が殆どらしいですけど、具体的にどんな話なんですかね?」
「一応、全文を訳すとこんな話じゃ――」

 ヴァロムさんは石版に書かれていた内容を事細かに話してくれた。
 で、その内容だが、太陽神・ラーがどういう存在なのか、そしてどういう部下がいてどういう家族がいるのか、そんな話ばかりであった。
 なんとなく、ギリシャ神話みたいな人間臭い感じの物語だ。
 しかも、この太陽神・ラーは、光り輝く眩い自分の姿を映すために、ある鏡を部下に作らせたような事も書かれているのである。この流れから察するに、多分、これがラーの鏡の事なのかもしれない。
 まぁそれはさておき、石板の内容は全体的に、第三者の視点から太陽神・ラーを礼讃するだけの、わけの分からん話であった。が、しかし……俺はこの話を聞いている内に、あべこべになっているというか、やや奇妙な引っ掛かりを覚えたのである。
 またそれと共に、4体の像についても違和感を覚えたのであった。

「――まぁとりあえず、こんな感じじゃな。どうじゃ、コータローよ。なにか気になる点はあったかの」
 俺は引っ掛かった部分を話すことにした。
「……あの、ヴァロムさん。この石版は太陽神・ラーを散々礼讃しておいて、最後に『……我が力を得ようとする者よ……知性と勇気とその精神を我に示せ。さすれば、真実の道は開かれよう』となっておりますが、これって不自然な文ですよね」
「不自然?」
「なにが不自然なんですの?」
 アーシャさんとティレスさんの2人は首を傾げた。
「不自然とは、どういう意味じゃ?」
「だって、礼讃している部分は他人の記述のようだし、最後の一文は本人の記述みたいになってるんですよ。おかしくないですか」
「まぁそう言われるとそうじゃな……確かに妙じゃ」
 そこでヴァロムさんは顎鬚を撫でる。
「でしょ。そこで思ったんですけど。最後に記述されている試練を思わせる文章は、石版自体を太陽神・ラーだとして考えろって言ってる気がするんですよ。真ん中に太陽の絵もありますしね。ですからそう考えると、他人視点の礼讃部分は、力を得ようとする者の知性を試す為に、わざとこんな書き方にし
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