Lv6 古代の魔法(i)
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翌日の朝。
ヴァロムさんと俺は、昨晩の夕食時と同様、ソレス殿下達の朝食の席に招かれていた。
今、この食卓では、ソレス殿下とサブリナ夫人と3人の子供さん、そして俺達の計7名が食事をしている最中である。
3人の子供さんは、上から長男のティレスさんと長女のアーシャさん、次女のエルザちゃんと、1男2女という構成になっている。
年齢については分からないが、見た感じはティレスさんが俺と同じくらいか少し上で、アーシャさんは少し下、エルザちゃんが10歳くらいといったところだろうか。とにかく、そんな年頃の子供さん達である。
話は変わるが、長男のティレスさんは、昨日の夕食にはいなかったので、今朝、俺は初めて見たのだが、その容姿はハッキリ言って凄いイケメンであった。やや短めの赤い頭髪で、はっきりとした輪郭の顎と、意志の強そうな目が印象的であった。背丈は俺とそれほど変わらないのだが、その身のこなしは流石に貴族というものであり、優雅な感じに見える。
そして、そんなティレスさんを見た俺は、育ちの違いというものを強く感じたのである。
それと昨晩、ティレスさんがいなかった理由だが、ソレス殿下の話だと、ティレスさんは軍部の司令官的な立場らしく、近年増えてきた魔物対策の為の会議をしていたようである。
父親が太守だから、色々とそういう方面の役割を若いうちから背負っているのだろう。
つーわけで話を戻す。
俺は食事をしながら周囲に目を向ける。
昨晩も来た食堂であるが、やはり、大貴族の城にある食堂とあって、一味違う世界であった。
美しい意匠を凝らした大きなテーブルや、シャンデリア風の煌びやかな照明、そして、室内を彩る美術品や赤いカーペットや、美しい女神が描かれた壁面といった物は、流石に目を見張るものがあった。
こんな場所で食事する事なんて、俺の今までの人生からは考えられない事である。
だが今の俺の境遇と照らし合わせると、これは必ずしも、素直に喜べない事でもあるのだ。
これが日本で体験してる事なら、どんなに素晴らしかっただろうか……よそう。飯が不味くなる。
話を変えよう。
次に今朝の朝食だが、昨晩のような肉類を中心とした脂っこい豪勢な夕食とは違い、少しアッサリ気味な料理であった。
献立は、柔らかめのパンのような物を主食に、卵や肉類を使った、若干アッサリ気味の上品な味付けの料理や、スープやサラダといった感じの物なので、現代の日本でも食べようと思えば食べれそうな品々である。
とはいえ、料理が盛り付けられた食器等は、美しい模様や細工が施された物ばかりなので、中々、こんな器で食べる機会などはないが。
ちなみに食べ方は、西洋風のナイフやスプーンを使ったタイプの食事作法であった。
箸を使い慣れてい
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