Lv4 商業都市マルディラント
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絨毯が敷かれており、その脇には高級感あふれる絵画や石像といった美術品が幾つも飾られていた。
その影響もあってか、全体的にこの城は、上品な美術館のように俺の目には映ったのである。
俺達はそんな様相をした廊下や階段を、男に案内されて進んでゆく。
それから程なくして、花のレリーフが施された、高級感あふれる扉が前方に見えてきた。
男はそこで立ち止まり、扉に手を掛けた。
「さ、中へお進みください、オルドラン様」
「うむ」
そして俺達は部屋の中へ、足を踏み入れたのである。
中は応接間みたいな感じで、高級感あふれるソファーや椅子が、真ん中にある大理石風のテーブルを囲うように置かれており、周囲の壁際には、廊下と同様、様々な美術品が飾られていた。
またそれらに加え、宝石をちりばめた様な美しいシャンデリアが、天井から釣り下がっているのである。
この室内の様相を見た俺は、直観的にこう思った。
ここはただの応接間ではなく、恐らく、要人を招く為のVIPルームだと……。
俺達が部屋の中に入ったところで、案内人の男は口を開いた。
「ではオルドラン様。ソレス殿下はただ今、御公務の最中でございますので、申し訳ございませぬが、暫しの間、こちらの部屋にてお寛ぎ頂けますよう、よろしくお願い致します」
「うむ。すまぬの。待たせてもらおう。では、コータローもそこに掛けるがよい」
「はい、ヴァロム様」
俺はヴァロムさんの言葉に従い、ソファーへ腰を下ろした。
と、その時である。
「失礼いたします」
メイドらしき服装の若い女性が、美しいグラスを乗せたトレイを持って部屋に入ってきたのだ。
その女性は、俺達の前にある大理石風のテーブルに、手例に乗せたグラスを静かに置いてゆく。
グラスには液体が入っており、甘く良い香りがした。多分、ジュースか、果実酒といったところだろう。
「では何か用がございましたら、この者に仰って頂きますよう、よろしくお願い致します。それでは、ごゆっくりと」
男はそれを告げると、この部屋を後にした。
そして、メイドさんは手を前に組んで背筋を伸ばし、扉の脇に静かに佇んだのである。
これを見ていると、メイドさんも中々に大変な仕事のようだ。
まぁそれはさておき、俺達は暫しの間、肩の力を抜いて、旅の疲れを癒すことにしたのであった。
――それから30分後――
この部屋の扉からノックする音が聞こえてきた。
「何であろうか?」と、ヴァロムさん。
そこでガチャリと扉が開き、俺達を案内した男が姿を現した。
「オルドラン様。ソレス殿下がこちらにお見えになります。お迎えのほど、よろしくお願い致します」
「うむ」
というとヴァロムさんは静かに立ち上がる。
俺もそれに習って立ち上がった。
そ
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