Lv4 商業都市マルディラント
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あった。
ハッキリ言って、ゲームなんかとは比較にならない。
なので、ここがゲームとはとても思えないのである。が、ここではゲームの中で出てきた魔法やアイテムが、確かに存在しているのだ。
だがまぁ、それについてはもう考えても仕方ないので、俺はもう考えないことにしたのであった。
というわけで、次にいく。
このマルディラントは、白い石造りの建造物が建ち並ぶ中心に、美しい巨大な城が聳えるという様相をしており、ドラクエとかでは比較的に良く見かける構造の街であった。
そして、城の周囲は、これまた巨大な城塞で囲われており、豪華で堅牢なイメージを見る者に与えるのである。
だが、城の大きさに対して城塞はありえないくらいに広かった。
例えるならば、こたつの台の上に、小さなみかんを一個だけポツンと置いた感じだろうか。
とにかく、そのくらいのギャップが城と城塞の間にはあるのだ。
これは俺の想像だが、元々この街は、あの城塞の内側だけだったのかもしれない。
しかし、人が集まるにつれて城塞の中には入りきらなくなり、外にも建造物が増えていったのだろう。
ただ、建物の建築様式は中世ヨーロッパというよりも、どちらかというと古代ローマの様式に近い感じであった。
その為、このマルディラントは確かに大きな街であるが、色彩鮮やかなヨーロッパの街並みのように華やかではない。
どちらかというと、控えめな美しさを感じさせる彫刻品のような街並みなのである。
(古代ローマ帝国の街並みもこんな感じだったのかもな……)
ふとそんな事を考えながら、マルディラントの街並みに目を向けていると、突然、馬車のスピードが徐々に減速していった。
何かあったのだろうか? と思った俺は前方に視線を向ける。
すると、沢山の荷馬車が行き交う事もあって、街の入り口手前辺りから、ちょっとした渋滞が起きていたのだ。
しかも、道が一本しかない上に、後ろからも沢山馬車が来ているので、迂回も出来ない状況なのである。
これは我慢するしかなさそうだ。
「ふぅ……マルディラントに来るといつもこうじゃな。こりゃ、少し時間がかかるわい」
ヴァロムさんもこの渋滞にはお手上げのようだ。
現代日本でもそうだが、人が増えるにしたがって交通渋滞が起きるのは、どの世界でも同じなようである。
「そうみたいですね。まぁいいじゃないですか。街は逃げないですから、気長に行きましょう」
「ふむ。お主の言う通りじゃな。気長にいくとするか」
というわけで俺達は、暫しの間、渋滞のなかを進んでゆき、マルディラントの中へと入って行ったのであった。
[V]
街の中に入った俺達は、街道から地続きになっている大通りをそのまま進んでゆく。
馬車が闊歩することもあってか、
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