暁 〜小説投稿サイト〜
困った皇帝
第二章
[2/2]

[8]前話 [9] 最初 [2]次話
彼も既に髭を切られている。そして服は西欧のものだ。外見は完全に西欧のものになっている。
「前からでして」
「そうか。虫歯はいかんな」
 ピョートルは玉座からやけに楽しそうに言っていく。
「すぐに治さないといかん」
「はい、そうします」
「朕が治してやろう」
 こう言ったのである。その虫歯の貴族に。
「虫歯は放っておいてはいかんからな」
「陛下は歯科医だったのですか?」
「その技術は西欧で身に着けた」
 他でもないその遊学の時だ。大酒を飲み船乗り達と共にいる間に学んでいたのだ。
「西欧の歯科技術だぞ。最新式の」
「最新式ですか」
「そうじゃ。虫歯なぞ一発だ」
 何も問題なく治るというのだ。
「では早速治療に取り掛かろう」
「一体どの様なもので。その最新式の西欧歯科技術とは」
「存外簡単じゃ」
 ピョートルは虫歯の貴族の問いに笑って返した。
[8]前話 [9] 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ