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ドールハウスが好きで
第一章

[2]次話
       ドールハウスが好きで
 長原知美の趣味は人形集め、そして人形作りだ。日本の人形もフランス人形も大好きである。
 しかしその彼女が一番好きな人形とその関係はというと。
「ドールハウスが好きなの」
「ああ、イギリスの」
「あれが一番好きなの」
 クラスでその大好きな人形の話をしている中で友人達ににこりとして話した。
「何といってもね」
「本格的ね」
「リカちゃんとかのじゃなくて」
「イギリスのなの」
「あれが一番好きなの」
「勿論リカちゃんも好きよ」
 言うまでもなくという感じでだ、知美は言い切った。
「けれどね」
「ドールハウスね」
「リカちゃんのもいいけれど」
「あの本格的なのがね」
「一番好きなの」
「そうなの、けれど」
 楽し気だった表情を少し寂しいものにさせてこうも言った。
「ドールハウスって高いから」
「ああ、そうなの」
「それでなの」
「高いから」
「買えないのね」
「お人形はまだ買えて作られるけれど」
 それでもというのだ。
「ドールハウスってこれはっていうのは凄く高くて」
「作ることもなのね」
「出来ないっていうのね」
「そうなの、だからね」
 それでというのだ。
「まだね」
「買えないの」
「ドールハウスは」
「それは」
「それだけはね」
 とにかく一番買いたいがというのだ。
「手が出ないの」
「買える様になればいいわね」
「お金を貯めて」
「そうしてね」
「そうね、こうなったら」
 ここでだ、こうも言った知美だった。
「うちの高校アルバイトやってもいいし」
「アルバイトして」
「それでお金貯めて」
「ドールハウス買うの」
「そうするの」
「そうしようかしら」
 本気で考えていた、そのうえでの言葉だ。
「ここは」
「そこまでして欲しいのね」
「じゃあそう思うならね」
「やってみたら?」
 友人達も知美がそこまで思うのならと考えてだ、彼女の背中を押すことにした。そしてだった。
 知美はドールハウスを買う為にアルバイトをすることになった、だが知美はまだアルバイトの経験がなく。 
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