第一章
夕暮れ時の君の声は掠れていた
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───朝、目が覚めたら
────世界は
─────消えていたんだ
2017年/4月/AM8:30
ピピピピピピ
ガチャ
大変だ!
シュンは乱暴に目覚まし時計を叩いた。
寝坊してしまった
今日は、始業式だっていうのに...
なんとか学校についた。
息が切れて苦しい。
こんなことになるなら、運動部にでも入って毎日走り込まされれば良かったんだ、と考えて、自分がいかに非力なのかを改めて実感する。
僕の所属している部活動は「未知なるもの研究部」だ。ふざけたネーミングだが、活動内容は至って真面目だ。
始業式が終わった。
今日から僕は2年生だ。
僕には一年前から好きだった女の子がいる。
今日僕は君に告白するんだ。
その屋上は夕焼けが美しい場所だった。
「....ごめんなさい。」
「そっか、悪かったね。じゃ」
「ごめんなさい、ヴッ ごめッんなアッしゃい、ごめんヴッ、ごめんねエッ、ゴメンナシャイ、ゴメンネェっ.......」
君は癇癪でも起こったかのように泣き出した。
僕は焦った。
「いーよ、気にしないで。これからもクラスメイトとして仲良くしてくるないかな?」
君は何も言わずに走り去った。
何だったんだ?
ピラピラ
君の、ハルの、落とし物だろうか。
僕はその紙を丁寧に拾い上げる。
ねえ、聞いてシュンちゃん
12年前から好きだったよ
でも、だからシュンちゃんを助けるために自分を犠牲にする方法しか思いつかなかったんだ
怒らないでね
明日、世界は消える
正確にいうと世界は支配されるんだ
未知のものに
待ってて、春。
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