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最低で最高なクズ
ウィザード・トーナメント編 前編
雷鳴の女帝
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少しも進めない。俺は自転車を降りて、怒りの拳を建物の壁面にぶつけようとする。すると、まるで幻影を殴るように手応えがなく、拳がするっとすり抜ける。


「これは!」


幻影はあっさりと消滅し、1つ向こうの道に繋がる道が現れた。俺がそこを走って出ると、ゴミ溜めの中に捨てられたかのようにイザベルが倒れていた。その瞬間に全身から血の気が引く。


「イザベル!!」


俺はイザベルに駆け寄り、今にも崩れて無くなりそうなその体を繊細に抱き上げる。だがイザベルの意識は戻らない。唯一、呼吸が続いていることが俺にイザベルの生存を伝えた。


プルルッ♪と携帯が鳴る。俺の携帯に誰かが連絡をしてきている。俺は真希乃からだと思いその電話に出る。しかし、そこから聞こえてきたのは男の声だった。


(ハハハッ!プレゼントだ。生かしてやっただけありがたく思うことだぜ。)

「へぇ...お前が犯人なんだな?」

(いかにも...復讐したいならいつでも来いよ。俺の派閥を総動員して相手してやるからさぁ。)

「なるほどお前は序列10位以内の人間なんだな。」

(やっぱり鋭いなぁ。で?だからどうしたんだ?)


可能なら今すぐコイツの眉間に風穴を開けてやりたかった。死を目の前にして泣きながら命乞いをするであろうこの醜い男をどんな手でも良い、殺したいと思った。


「アンタすげぇーな。」

(はぁ?)

「今までにここまで人を恨んだことはなかった。だから覚悟しとけよ?」

(ハハッ!何をだよ?)


神代が相手をビビらせるためか急に声のトーンを下げて話す。だが、俺にとってはそんなことはどうでも良かった。だから俺も威嚇には威嚇で返した。いつも以上に圧倒的な殺気を剥き出しにしながら。


「俺はお前のどんな言い訳も反省も許さねぇから。」

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