3 嫉妬(ヤキモチ)
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藤木は授業中、隣にリリィがいる事で胸がドキドキしていて授業に集中できなかった。そして国語の授業の時・・・。
「藤木君、次の段落を読んでください」
「え!?あ、ええと・・・」
藤木はどこを読めばいいか分からなかった。
「す、すみません、どこですか?」
「藤木君、授業をちゃんと聞いていないとダメですよ」
戸川先生は困った顔をした。藤木は折角好きな女子が隣にいるのに恥をかいてしまうなんて自分はどれだけついていないのかと思うのであった。授業が終わると永沢は藤木に声を掛ける。
「藤木君、君、もしかしてリリィに見惚れてて、上の空だったんじゃないのかい?」
「い、いや、そんな事ないさ!」
永沢の透視能力のような洞察力に藤木はいつもの如く誤魔化すのであった。その一方、リリィはクラスメイトの女子達と喋っており、彼女達と早速仲良くなったようだった。
(いいなあ、リリィは、転校生だからってこんなにちやほやされて。僕も転校したら、卑怯者だなんて思われずに皆から人気者になれるのかな・・・?)
藤木はリリィを羨ましがった。それに二人だけでリリィと喋りたい気持ちだったのだが、そのタイミングはなかなか掴めなかった。
「藤木君、君、もしかしてリリィと喋りたいと思ってるんじゃないのかい?」
「あ、いや、そんな事ないさ!」
藤木はまたも永沢の問いに対して誤魔化した。
「まあ、君は手紙を出した相手が花輪クンと間違えられていたんだ。見向きしてくれるわけないと思うよ」
「そ、そんな・・・」
藤木は悲愴になった。
(どうしよう、今日花輪クンちでリリィの歓迎パーティーやるって言うのに、行くのやめようかな・・・?)
帰りの会が終わると、花輪がリリィの所へ向かう。
「Hey、僕の家へは僕のじいや・ヒデじいの車で送るよ」
「ありがとう、花輪クン」
(やっぱり、リリィは花輪クンとお似合いだ・・・。歓迎会、行くの止めよう・・・)
藤木はそう思った。
「藤木君」
藤木はリリィに呼ばれた。
「また後で会おうね。バイバイ」
「あ、うん」
藤木は少し照れた。やっぱり歓迎会に行こうと思うのだった。そんな時、永沢が声を掛ける。
「藤木君、君、もしリリィから呼ばれなかったらきっと歓迎会行くの止めてたんじゃないのかい?」
「い、いや、そんな事ないさ!」
永沢に心の中を見透かされ、藤木は案の定誤魔化した。そして慌てて話を変えようとする。
「な、永沢君は歓迎会に行くのかい?」
「勿論さ。花輪クンちに行けば高級なお菓子が食べられるじゃないか」
「あ、うん、そうだね」
永沢は高級なお菓子狙いだった。彼は花輪に憧れており、花輪について行けば何かいい事が起きるのではと考えていたのであった。
放課後となり、藤木は家に着くと、早速花輪家へ向かっ
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