第二幕その七
[8]前話 [2]次話
「なるからね」
「そうした海草を食べれば」
「声を失うこともなく」
「それで人魚の人達も海の上に上がられるから」
「何の問題もないよ」
「そうなのよね」
このことをお話するのでした。
「そうしたお話になるなんてね」
「外の世界の人魚のお話は悲しいね」
木樵はその優しい心で心の底から悲しんでいました。
「そうした海草がないなんて」
「本当にそうよね」
「全くだよ」
「声も失うなんて」
「どうして告白出来るのか」
「それじゃあ何にもならないわ」
ジュリアはこうも言いました。
「本当にね」
「全くだよ」
「しかしです」
神宝がオズの国の人達に言いました。
「この国の人魚の人達がそうで何よりです」
「ええ、幸せじゃないと」
「このオズの国では」
「意味がないからね」
ジュリアはこう神宝に答えました。
「やっぱり」
「オズの国にいるのなら」
「そんな悲しいお話はあってはならないわ」
「あのお話をはじめて読んだのは子供の時だったよ」
モジャボロは悲しいお顔で言いました。
「いや、あの時は泣いたよ」
「そこまで悲しいお話だったんだね」
「うん」
ジャックにも答えます。
「本当にね」
「そうだったんだね」
「だからね」
「オズの国の人魚の人達でそんなことはなくて」
「本当に嬉しいよ」
そうだというのです。
「僕もね」
「モジャボロさんは笑顔が好きだしね」
「大好きだよ」
ただ好きでなく、というのです。
「本当にね」
「だからだね」
「うん、皆幸せでないと」
モジャボロにとってはです。
「僕は悲しいよ」
「それがモジャボロさんだね」
「そうなんだ」
「ええ、ただ最近ね」
ここでジュリアはこんなことを言いました。
「人魚の国がどうなっているか」
「そのことは?」
「ちょっとわからないから」
「長い間行っていないからだね」
「悪い風にはなっていないと思うけれど」
「そこまではわからないから」
「何とも言えないところはあるわね」
こうモジャボロにお話するのでした。
「女王さんもお元気だと思うけれど」
「そのことは間違いないにしても」
「ええ、具体的にはね」
「果たしてどうなのか」
「そこまでは言えないわ」
「じゃあそのことを確かめる為にも」
「ええ、人魚の国に行きましょう」
その目で確かめる為にもです。
[8]前話 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ