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NARUTO 桃風伝小話集
その23
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た懸念に、オレはどきりと心臓が跳ねた。
オレの抱える闇と、アイツの抱えている闇と、アイツの持っている望みと、アイツの中に封じられている存在と、オレの望みについてが脳裏に断片的に浮かんでいく。
そして、それについての漠然とした解決法も。

「マジでこんなのオレの柄じゃねえのも分かってるし、お前らにとっては余計な世話だっつーの自覚してる。だけどお前は男だし、ナルトの奴は女だし。だったらやっぱ、ナルトの事はお前に頼むしかねえなって思ったから今腹を割った。だから、気が向いたらで良いから、オレの話をお前の頭の片隅にでも置いててくれ。オレの話はそれだけだ」

真剣そのもののシカマルの眼差しに、返す言葉もなくオレは沈黙を続けた。
なんとなく、感じてはいても、そんな事をオレが認める訳にはいかないのだから。

だからこそ、混じりの無い真っ直ぐなシカマルの視線から思わず視線を逸らし、本音を漏らしていた。

「オレは、アイツと連みたくて連んでるわけじゃねえ」
「は!?」

これ以上は言えないが、ぎょっとしたように目を向いたシカマルを正面から見返して、シカマルの話から生まれた気持ちも同時に告げる。

「けど、お前の話は頭の片隅でもに置いておく」

オレの答えをぽかんとして見つめていたシカマルは、やがていつものようにだらけきった姿勢と、緩い表情で笑いながら軽く手を挙げてきた。

「ああ。そんくらいで良いから、少し考えといてくれや」
「ああ」
「多分ねえとは思うけど、話聞くぐらいならオレでもできるからそんときは宜しく。めんどくせーのはゴメンだけどよ」
「そうだな。考えておく」

そう返した瞬間、シカマルは無言になり、押し黙ったかと思えば、落ち着かなさそうに視線を彷徨わせつつ、同意を返してぼやいてきた。

「お、おう…。なんか、やけに素直だな。もっと反発されるかと思ってたぜ」
「理が通ってるなら、誰の話だろうと耳を傾けてやるくらいはオレだってする」

意外そうに告げられた内容に、何となく嫌な気持ちになりながら、オレはシカマルに返答を返した。
別に誰に何をどう思われてようが構いはしないが、聞く耳すら持ってないとか思われるのは心外だった。

ナルトの奴の言葉じゃないが、情報があるにこしたことはないのが忍びってものだ。
耳は大きく広くしておけ、と、父にも母にも兄にも、ナルトにすら耳にタコができるくらい言い聞かされている。

特にナルトの奴は、こちらが少しでも有益な情報を聞き逃していれば、すぐさまオレを不利な立場に追いやり、理不尽な不利益を被らせようと虎視眈々と狙っている。
いつ何が自分の利になり、得になるかしれないのに、情報を得ておく機会を逃すような愚は犯せない。
それがアイツを不利な立場に追いやり、理不尽な不利益を被
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