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NARUTO 桃風伝小話集
その23
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アイツは実は今は亡き四代目火影の一人娘で、更には当代の九尾の人柱力だ。
そこまで掴んでいるとは思わないが、何も無い所から確信に近いところにここまで迫れるとは、やはりコイツは侮れない。

コイツがここまでキレる奴だったとは思いもしなかった。
いや、もしかしたら、コイツは父親から何かしら情報を得ているのかもしれないと思った。
コイツの親父は奈良シカク。
父さんが家でその知略を認める発言をしていた男だ。
それを思い出す。

ぞくぞくと、身の内に高揚にも似た気持ちが渦巻いて行く。
コイツと全力を尽くして戦ってみたい。
一体コイツはどれだけの力を隠している。
オレはいつの間にかシカマル自身に興味を湧かせていた。

「で、だ。アイツは意外と何しでかすかわかんねー所があるからな。同じような立場でも、ヒナタとは別の班に回されるだろう。アイツはあれでも日向宗家のお嬢様だからな」
「それで何故オレがアイツを守る事に繋がる」

それでもしたり顔に続けるシカマルが気に食わず、突き放す。
その途端、苛立たしげにシカマルは髪をかきむしって声を荒げた。

「だから黙って聞けって言ってんだろーが!つまりよ、アイツは里との繋がりを増やす目的で班を組まされんだよ。んで!お前はアイツの舵取り役!スリーマンセルのもう一人の人間は、恐らくは一般家庭出身者が選ばれんじゃねーかと見てる。特に女の可能性が高いな」
「あ゛?」
「根拠は2つ。本来のアイツ自身と、あれでアイツも対外的には男として通ってっからな。女には多少当たりが柔らかくなることを見越されてんだろうよ。んで、さっきっから言ってる事に繋がる訳だけどよ、って、お前のその顔からすると、オレが言いたい事を理解してくれてるみてーだな」
「チィ……」

今度こそ本当に、オレは不機嫌さを隠さずに舌打ちした。
ああ、本当に、シカマルの懸念は正しい。
そして、恐らく、班の組み分けに対する推測も正しい。
シカマルの推測通りだとすると、オレは女二人と班を組まされる、という事か。

アイツの腹に封じられたモノを何とかするのに、オレ以外の適任は居ないという事も良く理解した。
シカマルの言うように、オレはうちはだ。
そして、だからこそアイツはオレにまとわりついている。
いずれ、敵となる者への切り札を手に入れる為に。

そしてオレは、ナルトの、無邪気にオレに纏わりついたり、自分をオレの修行の実験台にさせるような無防備さを最近持て余し始めていた。
だから班決めには少し期待していたのだ。
無理なくナルトとの距離を置く口実を得れるかもしれないと。
何より、オレ自身、一族について一人で深く考えたい事がある。
写輪眼を開眼してから知ったあれこれを考えるのに、何かと纏わりついてくるナルトは邪魔だった。

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