その23
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くもねーけどよ」
シカマルは遠くを見つめて諦めたような溜め息を吐いた。
「どう考えても特大の訳アリ持ちなナルトの奴の懐に自分から踏み込んで付き合うなんざ、わざわざ自分から苦労背負いこむようなもんだし、尻込みすんのも分かんなくもねーしな。アイツ、自覚のねーバカだしよ」
「確かに」
的を得たシカマルの言葉に、ぽろりと本音が零れ出る。
アイツは自分という物を全くと言っていいほど理解しておらず、無頓着過ぎる。
望みも、実力も、性格も。
なのに、強がりだけは一丁前だ。
本当はただの傷付きやすい泣き虫の臆病者の癖に、平気な振りだけが板に付きすぎている。
見ていて腹立たしいほどに。
「だからよ、お前、ナルトの事守ってやれよな」
「だから何でオレが!」
繰り返されるシカマルの言葉に、思わず反射的に切り返す。
だが、思いがけず返されたシカマルの言葉は、思いもよらない内容を含んでいた。
「いいか?オレの見た所、十中八九、お前とナルトは同じ班に回される」
「はあ?」
「オレは奈良だし、チョウジとイノと組まされんだろうな。それを踏まえてあの場に居た面子から推定すると、恐らくな」
「何故そう言いきれる」
「まあ、勘って奴だ。あと、曲がりなりにもナルトの奴を知ってるしな。アイツ、里に疑心抱いているんだろ?」
オレは再び口を閉ざした。
里に疑念を持つのはナルトだけじゃない。
このオレもだ。
シカマルは黙り込むオレに構わず、再び滔々と語り出す。
「めんどくせーけど、里の人間のアイツやお前に対する態度を見てりゃ、それも仕方ねーかもしれねーなとオレでも思う。だけどアイツは自分から里の忍びになった。そして、里の上層部は、そんなナルトの奴を制御して、下手すりゃ排除しようとするだろうな」
そこに異論は特に無い。
そして、ナルトにはどうやら、暗部の監視が今でもついている事も聞いている。
里は、ナルトの里に対する負の感情を知っていて、ナルトの事を警戒している。
それを再度強く意識し、ざ、と、背筋に冷たい物が走り抜けた。
ナルトは九尾の人柱力だ。
めったな事では処分はされない。
だがそれは、意志を拘束されないという事と同義ではない。
「そこにお前だ」
シカマルは真剣な表情でオレを指す。
段々、コイツが何を言いたいのか、というのが、オレにも見えてきた。
「あの九尾をも制御したといううちはの末裔であり、あのナルトがこの里で唯一と言って良いほど気を許している人間を、里が野放しにして放っておく訳はねーだろ?ぶっちゃけ、何でナルトにそこまですんのかはわかんねーが、オレは十中八九ナルトは出生含めて里の重要な機密のなにかに関連していると見ている」
シカマルの推測はイイ線を点ついている
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