第七章
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「奥瀬さんと付き合えて」
「まあ理彩ちゃんもそう決めるだろ」
「御前みたいに想われてたらな」
「それによく見られていてそのうえで好きなら」
「応えるよな」
「そうなるな」
理彩も彼の気持ちを受け止めてというのだ。
「御前が理彩ちゃんの全部が好きだからな」
「いいところも悪いところも全部含めてだからな」
「じゃあ受け止めるさ」
「全部な好きな相手だからな」
「というか悪いところないから」
藤太から見た理彩はだ。
「嫌いになる筈ないじゃない」
「そこでそう言うのがな」
「まさに御前だしな」
「だったら受けるさ」
「あの娘ならな」
「というか御前告白はしなかったな」
ここで友人達は彼のそのことを否定しなかった。
「最後まで」
「怖かったからね」
だからだというのだ。
「流石に」
「怖いって振られたらか」
「その時はか」
「怖いか」
「そうなんだな」
「そう、だからね」
それでというのだ。
「僕は告白は出来なかったんだな」
「いや、もうな」
「それはな」
「何か違うだろ」
「あそこまでオーラ出していて」
好きオーラ、理彩に対するそれをだ。
「それで言わないとかな」
「どうなんだよ」
「ずっと見ていて思っていたけれどな」
「毎日何度も何度も見ていてな」
「皆からモロバレで」
「それで告白は怖いって」
「全部がいいってまで言う相手に」
「そうした相手だからだよ」
理彩をそこまで好きだからだというのだ。
「若しもって思ったら」
「怖くてか」
「それでか」
「告白は出来なかったのか」
「そうだよ」
藤太は自分で言った。
「どうしてもね」
「わからない奴だな、そこは」
「どうしてそこまで理彩ちゃん好きかもわからないしな」
「しかも告白は怖いって」
「そこまで好きなのに」
「だから好きだから怖いんだよ」
やはり自分で言う藤太だった。
「僕位の場合はね」
「やれやれだな」
「けれどそれでも付き合う様になったし」
「見ている方はやれやれだよ」
誰もがこのことはこう思った、そしてだった。
藤太と理彩の交際を観ていった、二人の交際は特に藤太の方がべったりでそれもまた彼等をやれやれと笑わせるものだった。
何がいいのか 完
２０１７・５・２２
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