思惑のピース
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くレイジングハートを治してあげたいんです。もしかしたら記憶を取り戻すきっかけになるかもしれませんし、戻らなくてもこの子が傍にいれば、きっと心強いでしょうから」
「そうだね。頼れる相棒が傍にいることの安心感は、私にもわかる。まぁ、アギトの方がそれはよく理解しているだろうけどね」
「アギト……烈火の剣精にして、現存するベルカの純正融合騎ですね。確か彼女は例の爆破テロ以降も、フェンサリルに滞在しているんでしたっけ?」
「ああ。ミルチアの独立声明と同時にフェンサリルもオーギュスト連邦に参加してからは連絡を取っていないが、偶然聞こえたアウターヘブン社の社員の話によると最近はミーミルによくいるらしい。何はともあれ、彼女も達者でやっているようだ」
「それは良かったです。ただ、彼女に助力を求めるのはもう不可能かもしれませんね……」
「そもそもフェンサリルは髑髏事件と爆破テロの渦中に置かれた世界、管理局ないし管理世界への敵愾心も相応に強い。むしろこの情勢で爆破テロの真相解明を急がせたり、報復に打って出てこなかっただけで十分温情は与えられているだろう……。……む、いや待て、もしやアギトが最近ミーミルにいるのは……」
「管理局からまともな情報提供も返答もないことに焦らされたフェンサリルが暴走するのを止めるため、でしょうか?」
「一応、ロック皇子も重鎮達をうまく取りなしてくれているらしいが、やはり進展がなくて苛立ちを抱いてしまうことまでは防ぎ切れない。どうやら連邦に参加したことも、国内の情勢を鎮静化させるための政策なのだろう」
「もう連邦に加盟していない管理外世界が見当たらなくなりましたね。これも『時代』が変わってきたからでしょう」
「私達は銀河意思だけではなく、『時代』という怪物とも戦っている。かつてベルカという世界が戦乱の果てに滅びたように……今度は私達が試されている。私達がこの『時代』を生き残れるか、否か……それは私達の足掻き次第だ」
「せめて時代遅れとは言われないようにしたいですよね。……さ〜て、良い感じに一息つけましたし、レイジングハート復活のラストスパートに取り掛かるとしますか!」
休憩を終えたマリエルが最後のプロテクトに挑むべく解析を再開、長き眠りについていた不屈の心の片割れは、遠からず蘇るであろう……。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
翌朝、私はシオンと一緒のベッドで目を覚ました。どうやら気絶した後にシオンかケイオスが運んでくれたようだが、しかし全身、特に喉と胃袋がまるで唐辛子とわさびを直接塗り付けたかのようにヒリヒリしており、急いで冷水をがぶ飲みしたことでどうにか落ち着いてきた。
『お、おはようございます……』
「イクス……無事?」
『い、一応は……
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