思惑のピース
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伸ばして一息つく。
かつて彼女はレイジングハートとバルディッシュにカートリッジシステムを搭載する際、なのは達と知り合っている。だからこそ彼女の墜落にはショックを受けたし、生存を知った時はフェイト達と同じように喜んだ。まぁ、使い過ぎには注意するよう言いつけてたのに、ガンガン使って死にかけたことについて、彼女も言いたいはあるのだが今は割愛。
とにかく髑髏事件後から彼女もレイジングハートの修理に関わるようになり、彼女が原因不明だったエラーを解析した所、AIが発動したセキュリティプロテクトの過剰使用が発見された。しかも一括で解除できないように設定されていたため、強固なロックとコードが張り巡らされているプロテクト一枚一枚を地道に解かなければならず、さしずめ“管理局屈指のデバイスマイスターVSレイジングハート”の頭脳勝負になっていた。
まるでスパコンが作ったような難易度の高いパズルゲームの如きプロテクトを前に、管理局のマイスターが全員で挑み、一人を除いて力及ばず敗れていった。唯一マリエルは非凡な頭脳とポジティブシンキングを全力回転させてどうにか生き残り、そして2年もの歳月をかけて最終防壁へたどり着いた。ちなみにプロテクトに挑んだことのあるマイスターや、彼女の奮闘を知る者は彼女へ尊敬の念を送っており、特にシャリオ・フィニーノという少女からは羨望の眼差しすら向けられていた。
「夜分遅くまでお疲れ様、マリエル。緑茶、淹れてきたよ」
「おぉ〜ありがと、アインスさん。さぁて……」
サラサラ。ドバドバ。トロトロ。
緑茶にこんな擬音を響かせるマリエルを見て、アインスは思わず天を仰いで遠い目をする。緑茶とは普通そんな飲み方をするものではないのだが、人の好みはそれぞれだと自分の精神を無理やり納得させていた。
「んぅ〜、この甘味が一滴残らず全身に染み渡るぅ〜♪」
「ミルクと砂糖、おまけに蜂蜜まで入れるのは何度見ても正直どうかと思う……」
「でもリンディさんから教えてもらったこれは、常日頃から糖分を求める私の脳ミソには特効薬も同然なんですよ。アインスさんも一杯、どうです?」
「遠慮する。切実に勘弁願いたい」
「そんなガチトーンで言わなくても……こんなに美味しいのに」
「それを美味しいと言えるのは、激甘党の君達しかいない。断言する」
ちなみにアインスがここにいるのは、ユーノの代わりに無限書庫の調査をするのと、レイジングハートのプロテクトを解くために夜天の書の管制人格としての知識が必要な状況を想定していたためだ。尤も、マリエルが単独でここまで解いたため、後半は懸念で終わったが。
「そういえばマリーは聞いたかい? 高町が目を覚ましたこと」
「バッチリ聞いてますよ、彼女が記憶を失ってることも。だから私は早
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