思惑のピース
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をした気がする。どうでもいい話だけど。
それと、私は研究者にあまり良い印象が無い。マキナに色々実験をして酷い目に遭わせたことが、どうしても思い出されるからだ。というかそれこそが、私の次元世界への苦手意識の大本だと思う。今となってはそれをどうにかした所で、根強くこびりついた苦手意識を拭うことはもう出来ないだろうが……。
「まぁ、今は情報が少ないし、とりあえず注意しておくことにしよう。……さぁて、シャワーでも浴びてスッキリしてくるか。あ、シャロンは私が使ってるベッドで先に寝て良いよ」
「え、いやそれはシオンに悪いよ。眠れるなら別にソファでも椅子でも、何ならいっそ床の上でも……」
「いやいや、床の上で寝られたらむしろこっちが気になって仕方ないから。ベッドのサイズはダブルだから、二人一緒でも全然問題ないんだし」
「じゃあ……不束者ですがよろしくお願いします」
「こらこら、色々間違ってるよ、それ」
苦笑しながらエレンは備え付けの浴室へ入った。私はひとまず彼女が持って帰った肉じゃがのタッパーを冷凍庫に入れようとしたのだが、持った時の暖かさからこの肉じゃがは出来立てだということに気付いた。
『おや、肉じゃがとはまた興味深い料理ですね』
「このタイミングで声をかけてくるなんて、イクスはもしかしてコレ食べたいの?」
『はい。ホテルの豪華な料理も良いですけど、やっぱり素朴な家庭料理も食べたくなるんです。すみませんが、一口だけでもいいのでお願いできませんか?』
「はぁ……こういうのが太る原因になりそうだけど、イクスがそこまで言うなら一口ぐらい構わないか」
ま、冷やす前にせめて一口ぐらいは味わっておくのが作ってくれた人への礼にもなると思い、腹ペコ王のイクスにそそのかされるままスプーンで一口分をすくい取り、そして……地獄を味わった。
「あ、シャロン。言い忘れてたけど、その肉じゃがは―――!」
「ぐはぁぁぁぁっっ!」
『びゃぁああああ!!!! な、んですか……こ、れ……ぐふっ』
―――バタッ。
「シャロン! 大丈夫かい、シャロン! シャロォォォンッ!!!」
スプーンを落とした私とイクスの悲鳴がエコーを響かせ、シオンの必死の呼びかけが一気に遠くなっていく。そのまま私達は、一瞬で意識を喪失した。
「シオン、その肉じゃがってシャマルが作った奴?」
「うん。おすそ分けってことでね……」
「……」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「ふぅ……ようやく最後のプロテクトだぁ〜……」
管理局本局、デバイスルームにてマリエル・アテンザは、シリンダーの中にあるレイジングハートと接続したコンソールパネルの前で、椅子に座り続けて凝り固まった体をぐっと
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