思惑のピース
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た情勢下で彼を狙った事件が起これば、同時に次元世界を疑惑と混乱の坩堝に陥れることができる……」
「つまり、テロを起こしたのはデュマ?」
「実行犯は別にいるかもしれないけど、首謀者としてなら第一候補だ。なにせたった一手でアウターヘブン社、管理局、太陽の戦士の全てに致命的な一撃を与え、尚且つ隠蔽まで完璧なのだから、策略としてはタイミングなども含めて大成功の部類だろう。おかげで真相を証明しようにも、デュマが犯人だという証拠が見つかっていないのさ。まぁ、あの事件の真相解明には会社の方から既に人員が当てられているから、私達はそこまで気にしなくても平気だよ」
「はぁ……」
「とりあえず話を戻して、ヴァランシアではない他のイモータルをあのデュマがわざわざ復活させた理由は恐らくそれだろう。しかしどうせ復活させるなら、普通は全く知らない相手より仲間を優先させるとは思わないかい?」
「じゃあ昔、ロキがラタトスクを復活させたことについては?」
「彼らの場合は互いに利用価値があったからこそ、協力関係を結べていたと考えられる。ただ、停戦協定を結ぼうとしてきたデュマと、本能のままに世界を荒らすフレスベルグとニーズホッグ……些細なことかもしれないが、根本的な部分で何かが噛み合ってない気がするんだ」
「……あの、今のを聞いてふと疑問が浮かんだんだけど、あの2体を復活させたのは本当にデュマなのかな? 話の流れでついデュマが復活させたものだと考えてたけど、もしかしたら私達の知らない全く別のイモータルが関係してる可能性もあるかもしれないよ」
私の出した考えにシオンは「情報分析の能力は割とあるようだね」と褒めてくれた。ちょっと嬉しい。
ちなみに昔サバタさんから聞いた話によれば、あまり知られてないけどヴァンパイア同士でも複雑な勢力争いがあるらしい。クイーン・オブ・イモータル、ヘルに仕える死の一族……終末の獣、ヨルムンガンドと共に封印された影の一族……そして、月の一族を滅ぼしたと言われる魔の一族。ちなみに人形使いラタトスクは魔の一族だそうだ。
まぁ要するに、イモータル側も一枚岩じゃないってこと。それを知ってたおかげか、連中の関係の綻びに気付けたのは幸いだろう。
「そう、スカルフェイスのような元人間が髑髏事件の時と同じく、デュマに協力してる可能性も十分あり得る。第一、協力相手が一人だとは誰も言ってないからね」
「人間がイモータルに協力して、且つ改造を施せるような知識を持ってるとしたら……どんな相手でも全く物怖じせず、裏で違法実験とかやってて、人体改造とかお手の物で、管理局に尻尾を全然掴ませず、イモータルのことをよく知ってる研究者になるのかな」
ちなみにこの時、どこかで今言ったのと妙に符合する該当者がくしゃみ
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