思惑のピース
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レスベルグが相手じゃ一秒も効果が続かないだろうから非効率的だと思うもの」
「ん、わかった。じゃあ……とっておきのアレを使うか」
「え、私の意見なんか参考にしちゃっていいの? 方法としてはかなり単純なんだけど……」
「単純だろうと効果が見込めるなら十分立派な意見だよ、シャロン」
私をフォローする言葉と共に、シオンが部屋に帰って来た。ただ、光の屈折か何かの影響かわからないが、彼女の薄紫の髪が一瞬コバルトブルーに見えた。目をこすったら元通りに戻ってたけど……気のせい? あと、なぜ肉じゃがの入ったタッパーを持ってるんだろう?
「おかえり、シオン」
「ただいま、ケイオス。それでシャロン、対策はいくらでも用意しておくに越したことはないよ。どんな状況でも生き残りたいのならば、少なくとも二重三重の準備はしておくものさ」
「簡単に言ってくれるね……そもそもほぼ一般人の私に、戦場に関わることを求めないでほしいんだけど。むしろシオンこそ危機的状況への対策はしてるの?」
「そりゃあ当然さ。後方支援だろうと……むしろ後方支援だからこそ、ここぞという時のための切り札を用意しておくものだよ。あ、それよりシャロンに良い話を持ってきたんだけど、聞いてみる?」
「良い話?」
「次の物資補給艦が来るまでの一週間、キミはバイトで資金を稼ぐ予定なんだろう? だったら明日はちょっとした荷物運びをしてくれないかい?」
「荷物運び?」
「ふふ、まあ概ねは宅急便の真似事さ。取引先に頼まれてる荷物を持って行くだけのことなんだけど、先日の襲撃で壊れた街の修復や、瓦礫の中に取り残された人の救助活動などに多くの人手がまだまだ必要でね。荷物の量自体は少ないのに手が空いてる人がいないから、取引先に持って行けないんだ。まあ、簡単な仕事だけど給料はそれなりに弾むから、やってくれないかな?」
「別に仕事を選り好みするつもりはないから、肉体労働だろうと構わないよ」
「ありがとう。じゃあ担当には私から話をつけておくから、よろしく頼むよ」
そんなわけで意外とあっさり明日のバイトが決まった。まぁ、厳密に言えば元々就職していた会社の仕事をするわけだから、ある意味職場復帰でもあるけど……この場合はどうなんだろう?
とはいえ世紀末世界でヨルムンガンドの起こした地震で壊れたサン・ミゲルを修復する際、私も石材を運ぶなどの重労働もやったから、体力に心配は無い。むしろ……私がミッドの人間と落ち着いてコミュニケーションできるかの方が不安だ。
正直な所、次元世界の人間には苦手意識がある。流石にこればっかりは一朝一夕でどうにかなるものではないし、私自身も未だに人間不信を若干こじらせている。マテリアルズやサン・ミゲルの皆はサバタさんのおかげもあって信頼で
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