第五章 Over World
あたしは絶対認めない
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だが映司はしゃがみこんでしまい、その手は何もない空を切る。
おっとと、と態勢を整え、杏子が振り返ると映司は崩れたセルメダルを手に何やら調べているようだった。
「何やってんだ?」
「杏子ちゃん、これ」
「?」
中腰でその傍らに寄ると、映司は一枚のセルメダルを取り出してきた。
それを手に持ってみると、少しひんやりとした冷たさがあった。
見て見ると、濡れているようだ。
「これは・・・・」
「中のフィールドのどっかに、少なくとも水があるってこと。あと、これは斬られたメダル」
「・・・・武器はそのまんまなんだな」
「使い魔のか魔女のかどうかわからないけどね」
相手の動向も少しはわかった。
だが、問題はこのまま行っても意味がないということだ。
あくまでも自分たちの目的は、相手を倒すことではないのだから。
一瞬、このメダルをさやか自身に投げて見るのも考えた。
だが魔女となった今では、その願いは呪いにしか向かないだろう。
そうあっては最悪だ。強力な使い魔の完成である。
「結局・・・ここまで来て出来ることはないのかよ・・・・・」
「そんなこと・・・ない!!!」
「!! まどかちゃん!?」
二人が振り返る。
そこにいたのは――――
走ってここまで来たのだろうか。
息を切らし、肩で息をするまどかだった。
今日
まどはか変わることなく、いつもどおりに学校に登校し、いつもどおりに授業を受けていた。
だがしかし、その教室の光景に耐えられなった。
早退したのである。
毎日いたはずの人がいない。
毎日聞いていた声が聞けない。
毎日話していたようなことが話せない。
そんな光景に悲しみが押し寄せ、更に上条恭介からの言葉がとどめだった。
「鹿目さん。さやかがどうしたか、知らない?」
彼は知らないのだ。
もうさやかが学校に来れないことを。
それどころか、その思いを伝えることもできないことを。
その言葉を聞き、まどかはカバンを掴んで教室を飛び出していた。
担任の先生に呼びとめられたが「生理です!!」と言ってそのまま逃げるように早退してきたのだ。
「まどかちゃん・・・それ・・・・」
「はい・・・今になってとても後悔してます・・・」
「なんてこと叫んで来てんだあんた・・・・」
カァ、と顔を赤くして恥じらうまどか。
だがそれを振り払って本題に入る。
「さやかちゃんは、みんなを護るために魔法少女になったんだよ?だったら、その力がこんな風になっちゃうのなんて、私認めない」
「まどか・・・・」
「私
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