第五章 Over World
あいつは絶対に倒す
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しているとしか言いようがない。
それらのことから、翼刀は最悪のビジョンが頭に浮かんでいた。
魔女結界は、マミのいた階をいきなり包んで発生した。
つまり、最初から彼女は結界に取り込まれたことになる。
そして、あのマミに魔女と戦うすべなどあるはずもない。
ならば―――――
「だぁぁ!!」
ドォンッッ!!
さやかの投擲で、使い魔が三体ほど吹き飛ばされる。
しかし、魔女はその隙間を縫って回避した。
が、問題はその先に見えた物だ。
ガラガラとオブジェが崩れ、その先からはもともと病院だったのだろう瓦礫が見えた。
それは壁の崩れた物だったり、グシャグシャにひしゃげた車いすだったり、真っ二つに折れた扉だったり
「巴マミ」と名前が振られた、入院患者用のベッドだったりした。
「あ・・・・・」
「あれは・・・・!!」
「見るな!!」
巴マミ本人の姿はない。
だが、あれが此処に有り、そのベッドがひしゃげているのなら
彼等が導き出した答えは、ただ一つだった。
「こいつッ!!」
「ま、マミさんを・・・食べて・・・・!?」
口を抑え、ガタガタと震え始めるまどか。
顔面がみるみる真っ青に染まって行き、視界がだんだん滲んでくる。
一方さやかは、脳内の何かがキレたような気がした。
剣を握る手から、血が滴る。
ギリギリと言う音が、歯の隙間からしてきた。
胸の奥から吹き出す、彼女のメインカラーとは正反対の感情が、脳内を真っ赤に塗りつぶしていく。
「ああああぁァァァァァああああああああア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ッッ!!!」
「待てさやかちゃん!!」
「あいつがっ!!マミさんを!!」
「待つんだ!!」
「翼刀さんは何とも思わないんですか!?あいつが、あいつがァッッ!!」
「待てっつってんだろ!!美樹さやかァ!!!」
剣を手に、疾走したさやかの腕をとり止めようとする翼刀。
それを振り切り、さやかは翼刀を越して走り抜ける。
その肩を後ろからつかんで引き寄せ、なおも前に行こうとするさやかを振り向かせてから両肩を掴んで翼刀が怒鳴った。
フーッ、フーッ、と、怒り狂った猫のように息を荒くし、肩で息をするさやか。
目はすでに瞳孔が開いており、とてもまともな状態ではない。
が、それでも翼刀はさやかに向かって、半ば怒鳴るように言い聞かせる。
「いいか!?ここで突っ込んだって仇は取れない!!そのために突っ込んで、よしんば倒してもその時お前が死んでいたら意味がないんだ!!マミちゃんだって、そんな戦い方は望まないはずだ!
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