第五章 Over World
ウチ…来ます?
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無視・・・すんなーーーーー!!!」
一気に吐き出し、槍を思いっきり突き出した。
先端に付いた刃は、トランプのダイヤのような形をしている。
槍は鎖を伸ばし、翼刀に向かって一直線だ。
確実に命中コースだ。
と、吐き出したからか。
ここで彼女は正気に戻る。
痛めつけようとは思ったが、命を取ることまではしようとなんて考えてなかった。
街頭のテレビを見て「カッとしてやった」なんてよく聞くが、要はこれがそう言うことなんだろう。
そんな今は要らないことを考えながら、杏子は刃の行く末を見ていた。
槍は確実に翼刀の頭部に向かう。
きっとさやかの目の前で、翼刀の頭は上半分がなくなるのだろう。
が
杏子は見た。そして、声が詰まった。
翼刀の目が、こっちを向いた。
「ッ!?」
それは驚きか、恐怖か。
翼刀の手は一瞬で頭の高さに挙がり、手が開かれる。
掴み取る気なのだ。
そう杏子は理解した。
それはきっと成功する。
が
「セイヤー!!」
ドォッッ!!!
真上から落ちてきた何かが、その槍を地面に叩きつけた。
いきなりのことに、ポカーンとしてしまう翼刀。
ビビって固まるさやか。驚くほむらとまどか。
嫌な感じの顔をする杏子。
そして、翼刀がパタリと倒れた。
「翼刀さん!」
「び、びっくりした・・・・って今の声・・・・」
モクモクと上がる土煙。
その中で、人型のシルエットが立ち上がった。
鉤爪のようなものが杏子の槍を挟み込んでおり、その進行を阻んだのだろう。
まあそもそも、あの勢いで落ちてきたら確実に挟まずとも止まるだろうが。
「あ・・・あ・・・あんた・・・・」
「や」
「まだあたしに付きまとう気なのかい!?」
「だって・・・杏子ちゃん何しだすかわからないし。偏った食生活してないかなって」
バシュゥ!!
土煙が晴れたところで、シルエットが確実に人だとわかるものに変わる。
そして、振り返る。
その顔には、お互いよーく、見覚えがあった。
「火野さん!?」
「翼刀君!!」
やってきたのは、火野映司。
そう、確かに彼は翼刀よりも先に見滝原に来ていた。
来ていた・・・・はずだったのだが。
「もういないのかと思ってましたよ!!何してたんですか!?」
「いや、途中の街でこの子に会っちゃってさ。あと杏子ちゃん、また使い魔逃がしてたよ」
「逃がしたんだよ!!また潰しやがったのか!?」
「うん。それが俺の欲望だし」
「アぁああもう!!
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