暁 〜小説投稿サイト〜
世界をめぐる、銀白の翼
第五章 Over World
ウチ…来ます?
[9/10]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
無視・・・すんなーーーーー!!!」


一気に吐き出し、槍を思いっきり突き出した。

先端に付いた刃は、トランプのダイヤのような形をしている。
槍は鎖を伸ばし、翼刀に向かって一直線だ。



確実に命中コースだ。

と、吐き出したからか。
ここで彼女は正気に戻る。


痛めつけようとは思ったが、命を取ることまではしようとなんて考えてなかった。

街頭のテレビを見て「カッとしてやった」なんてよく聞くが、要はこれがそう言うことなんだろう。
そんな今は要らないことを考えながら、杏子は刃の行く末を見ていた。


槍は確実に翼刀の頭部に向かう。
きっとさやかの目の前で、翼刀の頭は上半分がなくなるのだろう。






杏子は見た。そして、声が詰まった。
翼刀の目が、こっちを向いた。

「ッ!?」


それは驚きか、恐怖か。

翼刀の手は一瞬で頭の高さに挙がり、手が開かれる。

掴み取る気なのだ。
そう杏子は理解した。

それはきっと成功する。








「セイヤー!!」

ドォッッ!!!


真上から落ちてきた何かが、その槍を地面に叩きつけた。


いきなりのことに、ポカーンとしてしまう翼刀。
ビビって固まるさやか。驚くほむらとまどか。
嫌な感じの顔をする杏子。

そして、翼刀がパタリと倒れた。


「翼刀さん!」

「び、びっくりした・・・・って今の声・・・・」



モクモクと上がる土煙。
その中で、人型のシルエットが立ち上がった。

鉤爪のようなものが杏子の槍を挟み込んでおり、その進行を阻んだのだろう。


まあそもそも、あの勢いで落ちてきたら確実に挟まずとも止まるだろうが。



「あ・・・あ・・・あんた・・・・」

「や」

「まだあたしに付きまとう気なのかい!?」

「だって・・・杏子ちゃん何しだすかわからないし。偏った食生活してないかなって」

バシュゥ!!



土煙が晴れたところで、シルエットが確実に人だとわかるものに変わる。

そして、振り返る。
その顔には、お互いよーく、見覚えがあった。


「火野さん!?」

「翼刀君!!」


やってきたのは、火野映司。
そう、確かに彼は翼刀よりも先に見滝原に来ていた。


来ていた・・・・はずだったのだが。



「もういないのかと思ってましたよ!!何してたんですか!?」

「いや、途中の街でこの子に会っちゃってさ。あと杏子ちゃん、また使い魔逃がしてたよ」

「逃がしたんだよ!!また潰しやがったのか!?」

「うん。それが俺の欲望だし」

「アぁああもう!!
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2025 肥前のポチ