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世界をめぐる、銀白の翼
第五章 Over World
ウチ…来ます?
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りあえずこの場で無視する理由はない。
ほむらが言葉を返す。


「なに?まどか」

「使い魔が逃げようと・・・・・」

「「「え」」」


バッッ!!と
三人が振り返った。


すると三体くらいの使い魔が、まるで夜逃げのように結界から出てきていた。

というかどう見ても夜逃げである。
風呂敷を背負っているし。


「ギ!?」

ヤベ、バレタ!!とでも言っているのか。

ビックゥ!と身体を跳ね上げた使い魔が、体裁も何もなくスタコラさっさとその場を去ろうとする。


「に」「が」「すかァ!!」



翼刀とほむらが、刃と銃弾を使って遠距離の二体を屠り、残る一体に向かってさやかが飛び掛かっていく。

ジャンプからの、下に向けた剣の突き刺し。
まあ確実に仕留められるだろう。


使い魔に避けるだけのスピードはなく、さやかがそれを外すこともない。






バキィッッ!!

「うぁっ!?」

「ギギッッ!!」


さやかが何者かによって弾かれた。

その隙に使い魔は逃げ出した。


見ると、視線の先には一人の魔法少女がいた。



色は赤。
手に持つ武器は槍なのだろうが、今は形状が変わっている。
多節棍にもなるようで、ジャラジャラとそれをつなぐ鎖が舞う。


それには翼刀たちも驚いた。


地面に座り込むさやかに、その後ろで新たな少女を見る翼刀たち。



「なあ」

「なに」

「魔法少女って魔女を狩るんだよな?」

「そうね。でも、それは何のため?」

「・・・・・そういうこと」


冷や汗を垂らしながら、翼刀がほむらとの会話を終える。
まどかとさやかはまだよくわかっていないようだ。

それを感じ取ったのか、めんどくせーなー、と頭を掻き、棒状の菓子を咥える少女。


「なあ、なんで使い魔をそんな一生懸命狩ってんの?」


一言。
それだけを、少女は聞いた。


さやかはその質問に意味を見いだせなかった。

魔法少女は魔女を狩る者。
人に危害を加える彼らをほっとけないのは事実じゃないか。


だが、目の前の少女は「本当にそれがわかっていないかのような振る舞い」だ。

とはいえ、その口調からおちょくっていることだけはわかる。

つまり


「あんた・・・わかってて聞いてんでしょ!?」

「はぁ?じゃあなにか?本気で人を護るため〜!だってゆーのかい?」

「グッ・・・・」




「魔法少女が魔女を狩るのは、グリーフシードのためだったっけ?」

「翼刀さん!」


と、言葉に詰まったさやかの代わり。というわけではないだろう
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