第五章 Over World
ウチ…来ます?
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そういって翼刀が指を差して、その指先がホゥッ、と光る。
するとその先が水面のように揺れ、その先に何かあることがはっきりと分かった。
「この距離からこれっぽっちの力で揺さぶってあれだからな。相当弱い」
「で、でも普通の人からしたら・・・・」
「まあ、八割の確率で死ぬ」
「し・・・・」
はっきりとした翼刀の言葉に、まどかの言葉が詰まる。
さやかの顔も少し青いが、あえて翼刀はそのまま言葉を進める。
「ここは人通りも少ないし、そんな感じで力をたくわえていくんだろうな。使い魔は」
「人が通らないのに、力が集まるんですか?」
「使い魔も魔女も、絶望を糧とするからな。数人が行方不明になって、此処がある種の心霊スポットみたいに有名になる。すると気になった人は必ずいるだろうから、その人が調べに来る。そしてそれも食う」
「そ、それで「ここは恐ろしい場所だ」ってさせてですか?」
「そう。それで力を集め、さらに被害者の絶望も喰らう。あとは雪だるま式に増えていく」
ザッ、と
翼刀が一歩、道を外れて路地裏に足を進める。
その後を、二人はおっかなびっくりついて行く。
「まどかちゃんはさやかちゃんのそばに。さやかちゃんは向かってきた相手だけを斬ってればいいし、最悪逃げてもいい」
「わ、私も戦え」
「戦えるだろうことはわかるけど、さやかちゃんの力は戦うことよりも守ることの方が強い力だ。誰かを癒し、救う力だ」
「翼刀さんは?」
「俺の治癒はあくまでも剣の力だからな。俺自身の力じゃないし」
まあとにかくそういう方向で、と言葉を打ち切り、さらに歩を進める翼刀。
すると、道の中腹で案の定
「ギギギッッ!!」
使い魔が飛び出してきた。
壊れかけたラジオのような、歯車のかみ合わないような
そんな声ともいえない音を上げながら、見るからに化け物が飛び出してくる。
だが、それを翼刀は最初からわかっていたのか、右手で鷲掴みにして左側の地面に叩き落とした。
捕まれた瞬間に不動拳が指から放たれ、頭部を破壊。
更に叩きつけて消滅させるという、初歩的なコンボ。
が、この場に潜んでいた使い魔は一体だけではなかったようで
「ギッ!!」「ギギギッッ!!」「ギィ〜ッッ!!」
更に数体飛び出してきた。
縄張りを荒らされたからか、仲間を殺されたからか、なんとなく怒りが感じられる。
二体を翼刀が蹴り飛ばし、一体はさやかに向かっていく。
そして三体目を翼刀が殴り飛ばした時には、さやかはもう二体目を相手にしていた。
「なかなか筋がいいな!!剣は棒じゃないからな。振り下ろすだけ
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