第五章 Over World
ウチ…来ます?
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っちゃわない!?」
「え?でもさやかちゃんは上条君の嫁だろ?」
「ばブゥッッ!!」
「ウわっ!?むせた!?」
「さやかちゃん!!鼻水出てる!!」
まどかの取り出したティッシュでグシグシと鼻を拭くさやか。
彼女の話だと、彼はすでに退院しているらしい。
しかしもう二、三日は病院に通い、経過を見、同時にリハビリも進めるとのこと。
そしてその後、無事に復学という流れだそうだ。
「いや〜よかったよ。ホントよかった」
「ですね〜。翼刀さんがいなかったら恭介もマミさんも大変なことになってましたよ〜」
「そう・・・・だな」
さやかの言葉に、すこしどもってしまう翼刀。
返答が、すんなりと出せなかった。
「それでですね!!いくら翼刀さんに・・・・その・・・・まあ転校生がいても、やっぱり私の目の前で魔女が現れることだってあるかもしれないじゃないですか」
「まあそだな」
「二人が来るまでの、その間くらいは・・・・私でもできることがあるかなって」
「それでさやかちゃん、張り切ってたんですよ!」
「せっかく誰かを護れる力があるのに、護れたはずなのに護れないのは・・・すごく悔しいので」
「・・・・そうだな。じゃあ、いっちょがんばるか!!」
「はい!!」
「おー!!」
さやかの決意。
何かできたかもしれないのに、それだけの力があるのに、何もできないのは悔しいから。
その思いは、翼刀もよくわかった。
聞くと、さやかの武器は剣、固有魔法は治癒らしい。
「そっくりだな」
「まあ・・・・翼刀さんに憧れてた、ってのもありますし」
「え?」
「あ、いや、なんでもないです!!」
「ふーん・・・む」
翼刀が顔を上げ、脚を止める。
二人が少し先に進むが、すぐに止まって翼刀の隣に。
翼刀が睨み付けているのは、今歩いている道から逸れた脇道だ。
ビルとビルの隙間に出来た、小さな路地裏の道。
その壁は、前衛的な芸術家たちが買い込んだスプレーで塗りたくった色彩に彩られている。
「どうしたんですか?」
「っと・・・まどか、これ」
止まった翼刀の顔を伺うまどか。
隣でさやかが取り出したソウルジェムの、その中身が揺らめいているのを見て、この先の脅威を推察する。
「ま、魔女?」
「いや、使い魔・・・かな」
「・・・・・うん。この結界の荒さだと、使い魔レベルかな?」
「荒いんですか?」
「多分力も何もない、襲い掛かるだけの使い魔だ。結界も取り込むんじゃなくて、奇襲みたいに身体を隠すだけ。近くを通ったら飛び出してくるんじゃないか?あれ」
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