第二幕:ふたつの虹に逢いたくて
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んの写真画像を見せて−−−
時崎「すみません。この人を知りませんか?」
人違い少女さんは、その写真を覗き込む。
少女「・・・ごめんなさい。知らないです」
時崎「どうもありがとう」
少女「確かに、雰囲気は私と似ていますね」
時崎「そうですね。なので、さっきは・・・すみません」
少女「いえ。私と同じ制服なら、学校で会えるかも?」
時崎「なるほど! 学校か・・・」
・・・人違い少女さんから学校の場所を教えてもらった。俺は、人違い少女さんにお礼を言い、その学校へ向かう事にした。
学校の校門前まで来たが、時期的に夏休みが始まったのか、部活をしている人以外は学校には来ていないようだ。水風さんは昨日制服姿だったが、何らかの部活を行っている可能性はある。一応グランドも見てみたが、それらしい人はいない。自分の母校でもないのに、突然「人を探してます」って尋ねても、個人情報とかの問題で、すんなり教えてくれる可能性は低そうだ。なんとなく、学校とその周辺の風景写真を撮影しながら水風さんを探している間に、昨日水風さんとバス停で出逢った時間が迫りつつある。どうするか悩んだが、とりあえず、バス亭に向かう事にした。
水風さんが毎日通っていたとすれば、ここで待っていれば出逢えるはずだが、昨日の同じ時間帯になっても水風さんは来なかった。来たのはバスだけである。
茜色に染まり始めた西空の方に目を向けると、昨日この場所で撮影した水風さんの事が鮮明に蘇って来た。水風さんの「ふたつの虹」をもう一度確かめたい・・・そう思って今日一日水風さんを探してみたが、これは虹の撮影以上に困難な気がしてきた。しかし、今までもそんな事がなかった訳ではないので、まだ諦めるという考えは俺の中にはなかった。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆
この街に来て三日目、今日の目標は水風さん(と、その不思議なふたつの虹)のみである!!この街への滞在は一週間程度(7〜9日)を予定していたが、それは、虹がそう簡単に撮影できないと思っていたからで、まさか二日目で当初の目的であった「ブロッケンの虹」の撮影が出来るとは思っていなかったのだ。しかし、俺の中では「虹の撮影は出来ていない」事になっている。そう、この街に来た初日に出逢った不思議なふたつの虹・・・水風さんの撮影に思い残す事と、確かめたい事があるからだ。水風さんに出会えるまでこの街に張り付いていようか、とか、いっそこの街に住もうかとか、そこまでは思っていないが、それに近い想いではある。町役場で戸籍・住民票を確認すれば確実かも知れないが、それを履行してまで探し出したとすると、水風さんはきっと怯えるだろう。もっとも水風七夏という名前が彼女の本名かどうかさえ分からない・・・警戒して仮名やペンネーム等を伝える人もいるからだ。現時点での手がかりは、制
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