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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
【第638話】
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てるのが気に入らないのかこめかみに怒りマークが見え隠れしていた。

(あんなに鼻の下伸ばしちゃって……お兄ちゃんのバカ! やっぱり双子だからって、妹だからって受けに回るなら攻めに転じてお兄ちゃんと――)


 等と、清い兄妹関係なら考えない淫らな考えを行う美冬。

 それも仕方ない、兄がモテすぎるからだ――みぃちゃんだけなら美冬もこんなエッチな考えは起こさなかったのに――と、自身に言い聞かせていた。

 美春は美春でやはりヒルトがモテるのはつまらないらしく、タイの刺身を食べながらじぃっと見つめている。

 クラス統一され、織斑一夏派と有坂ヒルト派に分けられてから、ヒルト派の女の子の言い寄り方が過激なのも気になる美春。

 そんな美春たちの視線に未来は苦笑を漏らす、ヒルトに抱かれたからか気持ちに余裕のある未来。

 もちろんヒルトの事は今でも好き、独り占めしたい気持ちにもなる。

 だけどここまでモテはやされ、誰か一人と恋人になると騒動に発展するかもしれない。

 いっそ皆がとも考えてしまう辺り、未来も変に毒されてる気がしなくもなかった。

 簪もヒルトが好きだが、あれほどアプローチ出来るほどの積極性もなく、じぃっと視線を送ることしか出来なかった。


「ヒルトくん♪ エミリアが装ったお刺身、食べてフ」

「なっ!? エミリア、たち歩くのは行儀が悪いぞ!」

「えー? 別にいいじゃん理央〜。 ソフィーもそう思うでしょ?」

「ふぇ? あ、あたしも流石にたち歩くのは行儀が悪いかなぁって……。 ぱくぱく」


 もりもりに盛られたご飯を食べるソフィー、現場を治める教師陣が不在という事もあり、広間は活気に溢れ返っていた。

 そして場所は清水寺――映画撮影も佳境に。


「さあ、追いつめたぞ!」


 清水の舞台で繰り広げられる撮影、ドレス姿の女優と黒服サングラス集団の俳優が演技をしていた。


「諦めて私と結婚するんだな! がっはっはっ!」


 高笑いして現れた男、まるで時代錯誤のギャングといった風貌だった、勿論俳優だ。


「あの人は風。 留まることを知らない人。 それなら私も風になって追い掛けましょう」


 軽やかに清水の舞台から身を投げた女優。


「なにっ!?」っと焦るボス――ドレスを着た女優をお姫様抱っこして上昇するのは白式を纏った一夏の姿だった。


「ああ、私の愛しい人。 風となって迎えに来てくれた……」


 うっとりとした表情で見上げる女優に対して一夏はというと――。


「君が呼ぶなら何処へでも駆け付けよう。 この恋を翼に変えて、風となろう」


 明らかな棒読み、芝居慣れしていない演技に浮きまくる一夏の姿
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