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問題児たちが異世界から来るそうですよ?  〜無形物を統べるもの〜
仏門・・・というか白夜叉
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ことになる」
「なっ・・・!?」
「一輝、それは、」
「まあ待て。別に、浅慮な考えで話すわけじゃない」

いいから落ち着け、と本人に身振りで示されてしまっては落ち着くしかない。浮かせた腰を再び下ろして、二人も茶を飲む。

「その代わり、二つほど頼むことがあるんだがな」
「内容を申してみよ。自らの霊格をさらそうというのだ、ある程度聞き入れる」
「そいつはありがたい。ま、そうはいってもほぼ一つみたいなもんだ」
「逆に言えばその一個はかなりの危険物ってことになるんだよなぁ・・・」

と言いつつも帝釈天にも否はないらしい。それを確認してから口を開く。

「まず一つ目。他言無用と私闘禁止、ってことで契約(ギアス)結んでくれ。自分の弱点晒す相手にいつでも襲われかねない状況は作りたくない」
「まあ、当然だの」
「むしろ拍子抜け・・・ってか、それくらいで教えていいものではないと思うが」
「事情が事情なんだよ。ガチで何かあった時どうにかできるやつとか、俺の知り合いじゃ白夜叉くらいしかいねえし」

荒事の気配がする。

「んで、二つ目なんだが。まあ察してるかもしれないけど・・・俺が討伐が必須の魔王に墜ちたとき、そっちで何とかしてくれ」
「・・・つまり、討伐しろ、と?」
「ああ。ただ魔王に墜ちた程度なら放置してほしいが、マジで危険物になったら頼むわ。武力的に頼める奴も少ないし」

で、どうだ?と。
それなりに重みのある内容を頼まれた二人は、それぞれじっくりと吟味する。吟味したうえで・・・肯定を選択した。
白夜叉は、下層を救った一輝に対する恩賞として。
帝釈天は、新たな人類最終試練の誕生を防ぐために。
それぞれが、その真実を聞く。



 ========



「とまあ、こう言うわけだ」
「なるほど・・・まーた、スケールの大きな話だのう」
「そして確かに、その霊格ならあらゆる条件を無視してアジ=ダカーハを討ち取れるだろう。その段階で切り離されたやつが再び人類最終試練となることもない。ないが・・・」
「まあ、そうなるのは分かる。俺だって知った時は心の中でそうなった」

懐かしいなぁ、と。まだ半年すらたっていないにもかかわらずそう思考する一輝。何を考えているのだろうか、コイツは。

「まあそう言うわけで、な。悪いが帝釈天の疑問については別をあたってくれ。・・・たぶん、アイツを真に倒す役目を担うのは十六夜だっただろうから、そっちからたどるのが正解だと思うぞ?」
「ああ、そうさせてもらう。しっかし、またふりだしの予感がするなぁ・・・」

彼の仕事は片付かない。困ったことに、だ。まあ動けば余計なことしかしないと定評のある神様なので、動けば動くだけ場が乱れることだろう。・・・ダメじゃねえか。


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