暁 〜小説投稿サイト〜
問題児たちが異世界から来るそうですよ?  〜無形物を統べるもの〜
一つの日常 化け物と怠惰
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なヒントを出したフリしといて全くわからないままじゃねえか」
「チッ、ばれたか・・・」
「当たり前だ。一輝の霊核がそこまでなる以上、“箱庭から観測不可能である理由”と“鬼道の一族の役目=倒す相手”がイコールかそれに似たもので繋がれるのは確実だからな」
「ごもっとも。けどもう依頼は終わったからここまでだよ」

と、そう言いながら手を加えた、あるいは新たに作り出したものを全て風呂敷で包んで投げつける。唐突に神の力で投げつけられたそれを片手で受け止めると、もう少し何か聞きだせないかと考えてから・・・

「・・・・・・・・・はぁ、まあ仕方ねえか」
「おやおや、案外諦めるの早いねぇ」
「意図的に話そうとしないやつなら無理矢理聞きだせる。何かしらの交渉を求めてる相手なら交渉をぶっ壊せばいい。ただただめんどくさがってるやつは手の付けようがねぇ、ってな」
「だーいせーいかーい。僕は役割でも箱庭のためでも命令でもなく、めんどくさいから話さないのさ。なんたって面どくさ・・・」
「せめて最期までいえよ・・・」

あと一文字、それを言うことすらめんどくさくなってきたらしい。めんどくさがりにしては珍しく話したし仕事もしたので、もう全てがめんどくさくなってきたのだろう。

「まあそう言うわけで、僕からのサービスはこれにておしまいです。製品不良くらいなら見てあげるけど、それ以外は知ったこっちゃないよ」
「そうかよ。・・・ま、助かった。俺なりにこれ使ってやってみることにするわ」
「はいはい、がんばれがんばれ〜」

と、もう既にむき出しの武器の上に寝転がってせんべいをかじりながらおざなりに手を振る蚩尤。いざとなれば腕を追加で生やせるという身体的特徴を十二分に活用している。
そんな、これでも箱庭においては魔王としてあらわれたという妖怪たちを引き連れる中華の鍛冶神の様子を半ばあきれた目で見つつ、十六夜はその場を後にする。ひとまずは、今手渡されたブツを使っていろいろ試してみるところからだろう。
そしてそれはそれとして。

「とっととこのギフトゲーム、解読しねえとな・・・」

ポケットから取り出したのは、白黒の契約書類。もう内容を暗記するくらい読み込んだのだが、改めて読み直して、今手に入れた情報とかみ合わせてみて、新たな発見を探る。挑戦するためではなく戯れとして、そして同士について知るために、彼は頭を回す。

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