暁 〜小説投稿サイト〜
問題児たちが異世界から来るそうですよ?  〜無形物を統べるもの〜
一つの日常 化け物と怠惰
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て言うのは問題なくイケてる辺りなんだかんだ何とかなるのかもだけど」

と、そう言って一個出来上がったものを十六夜に投げ渡す。それの確認をしておくように言いながら次のものに手を加え始める

「けどまあ、そうだなぁ・・・彼のギフトゲームをクリアできればその辺の諸々は何とかなるんじゃないかな、っては思うよ。それにあたり、1つだけヒントを上げよう」
「・・・なあ、お前は何がしたいんだ?」
「面倒を避けたいだけ。だったら今君に一つ情報を出しておけば、それについて考えだしてこれ以上の面倒事は避けられるかもしれない」

と、そう言って。一輝から借りている空間倉庫を開けていくつかの金属を取り出していきつつその言葉を吐き出した。

「一輝が今受けている信仰。これの大きさは箱庭から観測できる全外界の存在質量と等しいよ」
「それはそうだろ。アイツの出自がどうであったとしても、事実として箱庭から観測される全外界を救ったのと同じことだ」
「うん、そういう結果として得たものであれば何の問題もない。封印されてたとはいえ箱庭に来る前からそうだったって言うのもまあ、同じことだね」

余計めんどくさくなってきたか・・・?などとつぶやきながら、それでもちゃんと最後まで語る。
そう、同じこと。人類を、世界を救いうる存在として霊格を得るのは十六夜のような例がある以上なにもおかしなことではない。が、しかし。そうではないのだ。

「一輝がその霊格を得たことと絶対悪の一件は全く関係ない問題だ」
「・・・・・・は?」
「絶対悪の討伐。この功績を一輝は手に入れたけれど、その霊格を彼は得ていない」
「・・・まて、ちょっと待て」
「それらとは全く関係ない部分。それによって・・・まだ成していない、いずれ成す功績への祝福(期待)によって、彼の霊核の全てが構成されている」

言われてみれば、当然の事実。箱庭から観測することのできない世界で生まれた存在が、箱庭から観測することのできる世界を救うことで霊格が構成されているわけがない。箱庭から観測できる世界を救った霊格を得られるはずがない。
しかし、それでも。代々受け継がれていく一族の積み重ねという点を除いても。一輝という人間は異常だったのだから、そこへ想像を届かせることができなかった。

だがしかし、この発言からはっきりしたこともある。
寺西一輝とは、鬼道一輝とは。明確に世界を救いうる存在であり、そう言った未来を期待された存在であり、それ故に未だ自らの功績を明確に得ていない英雄なのだ。そうとわかれば、ギフトゲームの考察も少し進む。英雄を英雄と定義するために必要なのは明確な悪役。もっとも重要な部分が分かれば後は自然と発覚する。
する・・・のだが。

「・・・やっぱ世界の成り立ちかあのもやの正体を教えろよオマエ。結構
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