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銀河HP伝説
趣味レート事件 後編
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!!」
ミュラーも叫ぶ。
「・・・ようこそ『パウルの動く城』へ。」
ささやくような声と共に暗がりから不意にぬうっと人影があらわれたのである。怪盗のようなマントを身にまとい白粉を塗りたくったような白い肌をしている人物だった。その不気味さたるや歴戦の提督をしてたじろがせるほどの不気味な迫力があった。
「ななななな、なんだこいつは?!」
「こんな不気味な奴がここに?!」
「これが、まさか、パウル?!」
たじろぎ騒ぐ提督たちをよそに、ワーレンは意を決した様子で話しかけた。
「おお、パウル、あなたなのですか?」
「そうだ、私が『パウル』すべてを見通す者。」
ワーレンは催眠術にかかったように熱烈に彼の元に駆け寄った。
「どうかパウルよ。私の悩みを聞いてください!!」
「卿の悩みはわかっている。趣味が見つからず、息子の小学校の授業参観の作文がかけぬというのだろう。」
「おおお!!」
ワーレンは感極まった様子で叫んだ。
「すべてお見通しでしたか!!」
その後ろで、フィオーナとティアナが「えっ!?どうしてわかるの!?」という表情をしているが、当のワーレンは一向に意を介さない。
「私はパウル。すべてを見通す者。卿の悩みを解決するための策も準備済みだ。さぁ、こちらに。」
相変わらず不気味なささやくような声で案内する謎の人物の後についていくワーレンを諸提督は唖然として見送っていた。
「う〜む、どこかで見たような顔つきだったが・・・・。」
と、一人ビッテンフェルトは首をかしげている。
「おい、何だあれは?」
ロイエンタールがミッターマイヤーに尋ねる。
「何だと言われても、あれがパウルなのだろう。」
「俺にはどう見ても胡散臭い奴にしか見えなかったぞ。」
ケンプが言うと、皆が一斉に話し出す。
「あんな怪しいを絵に描いたような奴によくもワーレンはついていったものだ。」
「必死なのだろう。」
「しかしまぁ、何を教えることなのやら。」
そうこうしているうちにワーレンが出てきた。背後に音もなくパウルを伴って。
「いや!!まさに天のお告げとはこのことだ!!おかげで目が覚めた。スッキリしたぞ!!」
「卿の趣味が見つかったのか!?」
勢い込んでルッツが聞けば、ワーレンはしっかりとうなずいた。
「あぁ!!このパウルのおかげで俺は眼が覚め――。」
「わかったぞ!!!」
ビッテンフェルトの大声がワーレンを遮った。
「どこかで見たことがあると思っていたら、お前、オーベルシュタインの奴ではないか!!」
『は?!』
一同が一斉に『パウル』を見つめる。
「何か勘違いをしているのではないか。私は『パウル』すべてを見通す者――。」
だが、彼の眼をみた一同は戦慄する思いだった。異様な赤い光が宿ったのだ。そしてそれはある人物と邂逅する度、時折日
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