ウィザード・トーナメント編 前編
やっぱりこうなったか
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いたのか庭園に寄ってから帰ることにした。その時に庭園の花に水をやる一人の女子に会ったのだ。
「おや?ソナタは今まで見たことがないな名前はなんと言うのだ?」
「如月華澄と言います。あなたは?」
「イザベル・ロック・ステイン。長いのでイザベルと呼んでくれれば良い。」
それから少しの間二人は話をした。いわゆる女子トークというものだろう。男子が踏み込めるものではない。そのトークの中でイザベルは彼女が誠の知り合いだということを知った。
その後イザベルは何かを感じ取ったかのように適当に華澄との話を切り上げ、足早に帰ってしまった。それは今もまだ感じている。
「こんな所だろう。出てきてはどうだ?」
イザベルの呼び掛けでゾロゾロと裏路地の影から男子生徒が出てくる。彼女は庭園で彼らの気配を察知して華澄を守るためにその場を離れたのだ。イザベルは元から異常なまでに感が鋭く、話をすべて伝えなくても言いたいことが理解できてしまう。数時間前に誠から電話が掛かってきた時も、雰囲気で何を伝えたいのかは理解できていた。
「へぇ俺たちに気付いてたのか。ならこんな所に誘い込むより助けを求めるほうが普通じゃねぇの?」
「お前たち程度なら私でも相手できる。」
「言ってくれんじゃん。」
先頭に立つ男がポキポキと手を鳴らす。どうやら煽ることには成功したらしい。ただ、そんな挑発に乗るのは頭が働かない馬鹿だけだ。中には一切表情を変えることなく静かに戦闘態勢に入る奴もいた。
(ざっと見ただけでも10人は下らないか。)
イザベルが全身に纏うように雷を発生させ、瞬間的に辺りに緊張が走る。雷の発光によって裏路地が昼間の道路以上に明るく照らしだされる。全身の毛が逆立つほどの痺れるような電気。
「マーリン学園、序列50位。イザベル・ロック・ステイン。押して参る!!」
名乗りを上げると同時に先ほど以上の雷が発生し、薄っすらと水色に光る電磁波のようなものが放射線状にジリジリと広がり出し、やがて辺りを包んだ。
............同時刻。
俺はシルバーと別れてから自分のことを考えて帰っていた。5月の夕方は既に少し暗く、元々影だった場所はその影が更に延びて辺りを暗く包み始める。
「ピロリ♪」という音がして着信を確認すると、その相手は真希乃だ。真希乃は余程のことがない限り俺に連絡をしてきたりしない。俺は何か胸騒ぎがして着信の内容を見た。その瞬間、俺は全身の毛が逆立つ。
ーイザベルが行方不明なの!!ー
俺は咄嗟に真希乃と電話を繋ごうとする。待機音が鳴り出したと思ったら、すぐに真希乃が応答した。その声は既に慌ててい
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