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最低で最高なクズ
ウィザード・トーナメント編 前編
やっぱりこうなったか
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様子だと偵察に来たわけじゃないってか?」

「あぁ。僕は君に警告しに来た。恐らくだが君、あるいは君のパートナーのどちらかが逆恨みのような理由で襲撃を受けるかもしれない。」

「.......在り得るのかそんなこと。」


俺は先ほどまでとは違って声のトーンを下げて問い掛ける。もしそれが在り得るならばイザベルを守らなければならない。


そしてシルバーはそんな俺の心理を悟ったのか、慎重に言葉を選んでから話そうとする態度を取り始める。二人の間に身震いしそうな悪寒が走る。まるで吹雪に晒されているような感じだ。


「ウィザード・トーナメントの過去数年の記録を見る中で必ずと言っていいほど数チームが出場を棄権している。恐らく開催の数日前に何者かに襲撃を受けて参加を辞退せざるを得ない状態になる。あくまでもこれは僕の推測だ。」

「その記録。俺にも見せてくれないか?」

「構わないよ。」


俺はシルバーが手に持つ記録を奪うように受け取ると過去の記録をザラ見する。彼の言うことは事実で毎年少なくとも5チームは出場を辞退している。


俺は携帯を取り出してイザベルに連絡を取る。魔法によって技術的には進歩しているように見えるが、肝心の身近な物品は過去の技術から何一つ変わっていない。


「もしもし....イザベルだが。」

「誠だ。今日の練習はここまでにしよう。」

「......事情はなんとなく理解できた。ならばソナタの意見に従うとしよう。」


俺は「ありがとう」とだけ伝えて電話を切った。これで最悪の事態を防げれば良いのだが、俺はひとつの疑問を持った。他でもないシルバーについての疑問だ。


「なんで俺にその情報を教えてくれた?もしかしたら戦うべき相手を減らせたかも知れないのに。」

「あぁ、それも1つの作戦なんだろうけど僕はむしろ君と戦ってみたいんだ。僕より富んだ才能を持つ君と全力を絞り切るような試合がしたい。」

「なるほど。俺が決勝までやってくることは当然だと考えてるわけか。相当な期待だな。」

「だが、負けるつもりはない...そうだろ。」


俺はその言葉に笑ってしまう。どうやらこの男は優勝以上に俺との勝負を望んでいるらしい。ならなんとしてでもコイツの期待に応えないといけない。「人間として」というよりは「男同士の約束として」だ。



















............帰路。
イザベルは徒歩で帰っていた。街中には場所によって飛行禁止とされるエリアが存在する。道幅が狭いため、飛行は事故を起こす確率が高いとされるためだ。


(まさか学園の庭園にあんな女子がいるなんて。)


イザベルは今日、帰る前に気が向
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