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ソードアート・オンライン‐黒の幻影‐
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ずに目的を達成せしめた自らの悍ましさ。それらで汚れたまま日常を過ごさなくてはいけない苦悩。どれも全部、自分本位な思考でしかなかった。かつての自分の犯した背負うべき罪。そして、同時に影が俺の傍に居たという紛れもない証拠だった。


「………ま、こんな具合で自分は相棒の秘密も知ってるってことだ。どうよ、理解したか?」


 記録結晶に頼らない音声の再生だったが、そもそもカラーカーソルの表示されない相手だ。どこまでも解せないが、それでも認めざるを得ない。彼は間違いなくあの場面を目撃している。可能な限り部外者を排したにも拘らず、その光景を知っているとなれば、その《観察》を否定することは困難となる。
 

「………それだけ俺について知っているなら、何も聞く事さえないだろう」
「いやいや、だから自分は話したぜ? 自分はお前をある程度知っているってな。つまり、完全じゃぁない」


 回りくどく、敢えて要領を得ないようなぼかした話し方をする影はゆっくりと俺を指差す。
 ともすれば喉に触れるくらいに指が肉薄し、その寸前で止められた。そして再び、ノイズ混じりの声で話し始める。


「だからこそ知りたいんだ。相棒が何を考えて、何を求めて、こんなところまで来たのか。適当に上っ面を固めた建前なんかじゃなくて、純粋な欲求をさ」


 抽象的な言葉選びだが、その真意は違わず理解できる。
 俺でさえ直視することを躊躇うものを、興味本位で知ろうとする。そして、影は向けられる問いに俺が答えると確信していた。


「お前……」
「さーて、悪いが時間切れだ。今回はここまで」


 俺の声を遮り、影は唐突に幕切れを告げる。


「質問はまた今度から始めることにしよう。じゃ、良い目覚めを」


 言うなり、伸ばされた影の腕に突き飛ばされた。
 当然、反射的に足で踏ん張ろうと一歩下げるものの、不可解な現象に戸惑うも既に遅く、まるで水面に落ちたかのように抵抗もなく身体が床に落下する。未だ床の上に足を付ける影はこちらを見下ろしては手を振りながら見送る仕草を見せる。
 沈降と同時に意識が混濁する感覚に抗えないでいると、ふと耳元でノイズ混じりの声が呟いた。


――――それはそうと、俺にも名前が無くっちゃ相棒も困るだろ? 相棒の持て余してる名前を俺にくれよ。

――――というわけで、だ。俺はこれから《スレイド》だ。暫くの間、よろしくな。とりあえず仲良くやろうや。
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