暁 〜小説投稿サイト〜
グランバニアは概ね平和……(リュカ伝その3.5えくすとらバージョン)
第95話:税金を払うのは当然だが、有名税ってのは不本意だ
[1/5]
[8]
前話
[1]
次
最後
[2]
次話
(グランバニア城・カフェ)
ピエッサSIDE
夕方になりグランバニア城内にあるカフェは人気が少なくなっていた。
そんな店内の端っこの席で壁側を向いて誰とも目を合わせないで済む状態で水割りを煽る私……
今日の仕事も終わったので、本当は真っ直ぐ家に帰れば良かったのだけど、直ぐにでも一杯飲みたくなってしまい、寄り道をしてしまった。
娯楽室では目に涙を浮かべたマリーちゃんが肩を震わせながら私を睨んでいた。
だが私からは一言も話しかけず、ジッとマリーちゃんの言動を待ち続けた。
すると沈黙に堪えかねたマリーちゃんが『アンタもずっと私の事を音痴だと思ってたの!?』と聞いてきたので……
『はい。思ってました』と正直に答えた。
そうしたら『だ、だったら何で言ってくれないのよ!!』と八つ当たりしてきたので、『ずっと言い続けてましたよ。貴女の実力じゃ練習しないと問題になるって』と言い返す。
すると彼女は何かを言おうとしたのだが、何ら言葉が出てこないみたいでパクパク口を動かすだけ。
だから続けて『マリーちゃんが私の意見を聞かないから、ウルフ閣下にも言って貰えるように頼みました。でも全然効果無かったわ……これがその結果です』と追い打ちをかけた。
そうしたら流石に涙を流しちゃって『何よ! 私、音痴じゃないモン!』と泣き叫ぶ。
もう疲れ切ってる私は『そうですね……猛練習すれば音痴じゃなくなりますけど、今のままでは音痴のままです。如何します……練習しますか? しませんか?』って言っちゃって……
すると『するに決まってんでしょ! 猛練習よ! 見返してやるんだから!!』と大宣言。
でも『だけど今日は中止よ! 練習は明日からよ!!』と部屋から出て行ってしまいました。
これは怪しい……本当に練習する気になったのだろうか?
まぁ取り敢えず練習するとは言ったので、明日の練習時間に期待するしか無い。
そう思う事で気分を入れ替えたのだが、ドッと疲れが押し寄せてきてしまい、簡単に娯楽室を片付けて
お暇
(
おいとま
)
する事にした。
普段は酒なんか飲まない私だが、余りの疲労にアルコールが欲しくなり、買って帰る気力も無くなっていた為、一番近い酒の飲める店に飛び込んだ始末。
唯の自惚れでありたいが、それなりに顔が知れ渡ってるので、誰にも気付かれぬように端の席で壁を向いて飲んでいる……のだが、
「あ、あの……マリー&ピエッサのピエッサさんですよね?」
わざわざ店の奥の端の席にまで来て、顔を覗き込むように確認した上で何者なのかを確認してくる兵士が一人……
「そ、そうですよ……」
正直言うとウンザリなのだが努めて笑顔で質問に答える。
すると話しかけてきた兵士さんの顔が紅潮して、
「や、やっぱりピエッサさんなんですね! あぁ……お
[8]
前話
[1]
次
最後
[2]
次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]
違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
しおりを解除
[7]
小説案内ページ
[0]
目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約
/
プライバシーポリシー
利用マニュアル
/
ヘルプ
/
ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ