暁 〜小説投稿サイト〜
グランバニアは概ね平和……(リュカ伝その3.5えくすとらバージョン)
第95話:税金を払うのは当然だが、有名税ってのは不本意だ
[3/5]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
「はい……理解出来ます」
「うん。じゃぁ彼女の邪魔をしてはダメだって解るよね?」
凄いわこの人。最初は立場を盾に兵士さんを牽制してたけど、最終的には理詰めで説得し納得させる事に成功した。

「あの……ピエッサさん。邪魔をしてしまって申し訳ございませんでした」
「……こちらこそ何だかすみません」
何だか丸く収まりそうだし、私から否定も肯定も出来ないわ。

「良かったね。僕としても兵士達の趣味を制限するような事したくないから嬉しいよ」
「はっ……では失礼致します」
ションボリした兵士さんを私と共に見送る軍務大臣秘書官さん。

「今日は色々大変だったのに、申し訳なかったね……」
見送りきった軍務大臣秘書官さんは私の方に振り返ると、今日の事を労ってきた。
「……軍務大臣秘書官さんは今日の事ご存じなんですか?」
お偉いさんみたいだけど、軍部の人だし詳しい事を耳にしてるのかしら?

「まぁ……ね。一応他国の王太子と王太子妃が来国するワケだし……しかも相手が元自国の姫様だし」
「なるほど、言われてみれば当然ですね」
そうか……違う意味でインパクトがありすぎるけど、あの方はこの国の姫様だったんだわ。

「あの……今後は兵士やメイドさん達に『城内で芸能従事者に対して、(みだ)りに(たか)らない』って徹底させるよ。ウルフ君に言えば速やかに手配してくれるはずだから」
「お、お気遣いありがとうございます」

宰相閣下に“君”付けで接してるの?
親しいのかしら? 先程も兵士さんに対して掛け合うって脅してたわ。
見た目以上に凄い人なのかしら?

「とは言え、今日はまだ貴女に群がってくる者が居ると思います。城の外まで僕に送らせて貰えますか?」
「え!? そ、そんな……ご迷惑をお掛けする訳には」
そうは言ったが、この城は広いし出る間での間に声をかけられないとは言い切れないわね。

「失礼な言い方になりますが、これ以上城の者が貴女に群がって仕事が疎かになる方が迷惑なんですよ。ですから貴女は心置き無く僕を利用しちゃって下さい。上(王家)があんな感じだから、何でも緩く考える者が多いんです(笑)」

「ふふふっ……確かに凄い方達ですよね、色んな意味で」
軍部の偉い人なのに、凄く気さくで面白い人だわ。
お言葉に甘えちゃいましょう。

「ではお願いします。これ以上この場に居座って、皆様の仕事の邪魔をしては申し訳ありませんから」
「では……」
紳士的な態度で私を出口方向へと促す軍務大臣秘書官さん。

ピエッサSIDE END



(グランバニア城)
レクルトSIDE

僕はこの()に同情している。
選りに選ってグランバニア史上一番アレな姫君の相方に抜擢された訳だから。
ウルフ君があ
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ