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衛宮士郎の新たなる道
第4話 武士道プラン発動せり
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 今朝の百代の心境は複雑怪奇だった。
 九鬼財閥が発動させた『武士道プラン』は勿論詳細など知らないが、義経のクローンが現れたと言う事は他の英雄のクローンの登場も期待できると言う事――――即ち、新たな強者と出会えると言う事に他ならない。
 これに、まだまだバトルジャンキーの気が抜けない百代に高揚するなと言う方が無理らしからぬことだ。
 その一方で百代は苛立っていた。
 一昨夜に京極から聞いた話に出て来た士郎を押し倒そうとした女性の話に。
 別に、百代は恋人では無いのだから、士郎が何所の誰かと付き合おうが彼女に怒られる謂れは無いのだが、兎に角苛立っていた。
 そんな百代は苛立ちながらも何時も通りの時間帯に衛宮邸の庭に来たのだが、士郎が出てこない。

 「まさか、アイツ・・・ッ!」

 焦燥感に駆られた百代は士郎の部屋まで一直線。玄関から入らず縁側の戸を開けて、声もかけずに襖を開けた先で見たモノは――――。


 −Interlude−


 士郎は今日も抱き枕のように抱きしめられていた、リザに。
 リザの両手は士郎の後頭部にかけて、全身を士郎に預けて満足そうに寝ていた――――いや、もう半分以上起きているだろう。

 「リザ。もう起きなきゃならないから、退いてくれ」
 「ん〜?しょうがない」

 語尾にな〜と付けて。士郎の言葉に応じようとした瞬間に襖が開き、そこに立っているのは頬をヒクヒクさせながらご機嫌斜めの百代が見下ろしていた。

 「ほぉ〜?私を何時もの時間に呼び出して習慣づけさせといて、良い御身分じゃないか衛・宮・君?」
 「っ!?」

 最後の二人称が二番目の魔術師の師匠の怒っている時の呼び方そっくりだったもので、士郎は必要以上に反応した。

 「ま、待て、百代!これには理由が・・・」
 「どんな理由があるのか、聞かせてもらおうじゃないか衛宮君?」
 「いや待て。その前に如何してそんなに怒ってるんだ?掃除も鍛錬も俺がいなくても始められるだろ?」
 「別に怒ってなんかない。痛快愉快なくらい苛ついているだけだ!」
 「それを怒ってるって言うんだろ!」

 百代と士郎がぎゃあぎゃあ言い合う中、それを喧嘩するほど仲が良く見えたリザは、恋のライバルだと確信している百代にある一手を繰り出す。

 「羨ましいのかい?」
 「・・・・・・・・・・・・は?」

 百代はリザから言われた言葉の意味がよく理解できなかったが、彼女は構わず続けて言い放つ。

 「羨ましいなら反対側開いてるから、百代も士郎に抱き付けばいい。それでお相子だろ♪」
 「(パクパクパクパク)(・・・・・・・・・・・・・・・)

 今度こそ意味は理解出来てしまった百代は、顔を見る見るうちに真っ赤にさせて――――。
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