第十六話「パーフェクトガンダムVS紅椿」
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できる存在といえば……
「イヤッホォ〜! ちぃーちゃ〜ん!!」
後ろの急な崖坂を滑りながらこちらへダッシュで駆け寄ってくる。ウサミミのカチュウーシャにワンピースを着た、ISの開発者「篠ノ之束」である。
「束、一夏をここへテレポートさせたのはお前の仕業か?」
千冬の問に、束は胸を張って「大正解〜!」と答えた。
「そうだよ! イッ君にはどうしても白式を使ってもらいたいから〜……」
そんな彼女の登場に、周囲の候補生らは一斉にざわめきだした。何せ、あのISの生みの親として現在は失踪して国際手配されている人物である。
「束さん! 今度ばかりは許しませんよ!?」
一夏は、束を睨みつけた。いくら、姉の親友とはいえ二度も行う誘拐行為にさすがの一夏も堪忍袋の緒が切れそうになる。
「えぇ〜!? だってぇ〜!!」
「とにかく、俺を『マリーダさん』のところへ返してください!」
「……ッ!」
一夏の、「マリーダ」という名に千冬はとっさに反応した。
「あ〜んな怖いプルシリーズのどこがいいの〜!? 性格悪そうじゃん?」
「マリーダさんは、とても優しいお姉さんです! 感情を表に出さないだけで、性格は悪くなんてありませんし、誰にでも人当たりのいい人なんです!!」
「一夏……!」
すると、二人の間に千冬が割ってきた。
「な、なんだよ……?」
余りにも真剣過ぎる目をして、千冬は一夏の肩をガシッとつかんだ。
「マリーダという女がそんなに気になるのか?」
「何だよ? 姉貴には関係ないだろ?」
「警告する。ジオンの女なんぞ信用するな」
「はぁ! それこそもろ関係ないだろ?」
「あの将兵は、ジオンの特殊部隊というではないか?」
「もういい。俺、行くよ……?」
と、最後に一夏は束へ振り向く。
「束さん! 引き留めようとしたら、俺絶交ですからね!?」
「ちょ〜……ちょっとイッ君〜!!」
「待ってくれ! 一夏」
すると、彼の袖を真っ先掴んだのが箒であった。
「せめて、私のISだけでも見てくれないか?」
真剣に言う箒に一夏は断れず、それが見終えたら返してくれるんだと信じて、とりあえずこの岩場に少しだけ留まった。
「姉さま……」
「うんうん! 箒ちゃんの専用IS持ってきたよ〜!!」
箒は束へ振り向くと、束もそれに合わせて手にしたリモコンを押して上空から飛来する何かを呼び出した。それは、直径5メートルもの巨大な菱形の物体であった。
高速で地上へ降下し、そのままこちらへ激突するかと思いきや、先ほどの勢いはそれはピタリと途切れて一夏達の地上で制止した。
「これぞ! 箒ちゃん専用IS,『紅椿』なのだ〜!!」
赤い装甲で彩られた鮮やかなIS,それも第四世代機だということに一夏は警戒という意味で驚いてしまう。
「マジかよ……! こいつは、手ごわいな?
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