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ドラゴンクエストX〜紡がれし三つの刻〜正式メンバー版
二の刻・青年期前半
第三十二話「アルカパの町で」
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故郷、サンタローズにてピエールとスラリンに再会し、父パパスの遺言と共に勇者の装備の一つ、《天空の剣》を手に入れ、光の教団に支配から開放する為にラインハットを目指すリュカ。

まず目指すはアルカパの町。

―◇◆◇―

子供の頃は半日程だったアルカパへの道のりだが、魔王から流れ出る暗黒魔力が増大したのか魔物達は凶暴さを増し、尚且つその数を増やしていたので一日程時間を費やして漸くリュカ一向はアルカパまで辿り着いた。
変化の杖はあるが、未だ人の住む場所に慣れていないブラウンとシーザーは念の為に馬車で留守番をさせ、リュカとヘンリーの二人で町を調べる事にした。

「此処がアルカパか。リュカ、昔と比べて何か変わった所はあるか?」
「いや、取り立てて変わった所は無いが何と言うか…、あの頃程の賑やかさは無いな」

そう言いながら辺りを見回すリュカ。
子供の頃に一度だけ訪れただけだが、それなりにこの町に溢れていた活気は忘れてはいなかった。
だが、今のアルカパからはその活気は欠片も感じず、逆に悲壮感すら漂っていた。

「やはりこの町も…」
「そう言う事なんだろうね」

このアルパカの町もサンタローズの様に滅ぼされないまでも、ラインハットの支配の下で色々と理不尽な事をされたりしたんだろう。

「たしかこの町にはお前の幼馴染の女の子が住んでいるんだったよな。名前は確か…」
「ビアンカ。俺にとって姉さんみたいな女性(ひと)だったよ」
「なら早く顔を見せてやらなくてはな。何処に住んでるんだ?」
「町の中心にあるあの宿屋だよ」



―◇◆◇―

「いらっしゃい、アルカパの宿屋へようこそ」

リュカが指差す宿屋へ歩いて行き、扉を開いて中に入るが其処で二人を迎え入れたのはリュカが見知っていた人物ではなかった。

「あ、あの、此処で宿屋をやっていたのはダンカンさんじゃなかったんですか?」

リュカがそう聞くと受付をしていた人の奥さんであろう、洗濯物を取り込んで来た女の人が答える。

「おや、あんたはダンカンさんの知り合いかい?じゃあ、残念だったね。ダンカンさんはもうこの町には居ないよ」
「えっ!な、何で…?」
「もう7年前になるかねぇ。ダンカンさんの体の具合が悪くなって、ずっと西の方にある小さな村へ療養の為に引っ越していったんだよ。其処には体に良い温泉もあるらしかったからねぇ。その時丁度泊まっていた私ら夫婦がダンカンさんからこの宿屋を譲ってもらったのさ」
「西の村って何処にあるのか分かりませんか?」
「すまないねぇ。何処にあるとか村の名前とかは分からないよ」

リュカはその村の事を聞くものの、詳しい事は知らないらしかった。

「リュカ…」
「そうですか。分かりました、取りあえず二人で一泊お願いし
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