第19話『剣の時代が終わる時〜ナヴァール騎士団全滅!?』【Bパート 】
[1/5]
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
オリビエの対応策は、全てロランの為だった。
一見無謀に見える、突貫能力に秀でた『槍』の陣形。しかし相手の『銀の逆星軍』は層の薄い『三日月』の陣形。
戦列を整え、『ジュウ』の大隊を横から切断して『壁』を突き破る。そのまま乱戦に突入。『槍』の陣形たる本陣の『矛』へ駆け抜ける。
「我が友よ!今こそ『竜巻』と成りて駆け抜けるとき!」
「承知!!」
一騎当千のロランと、百戦錬磨のオリビエ――
不敗のデュランダルと無敗のオートクレール。二つの『戦刃』から生まれる『風』が合わさりとき、『嵐』となる。
そして、自然災害の『姿』たる竜の嵐――『竜巻』と化して逆星どもにくらいかかる!
彼らが狙うはただ一つ……指揮系統の寸断だ。
――魔王を倒せるのは、生きた伝説の一太刀のみ――
「どけ!雑兵ども!我の望む首はテナルディエ公ただ一つ!!『槍』を正義の陣形として『魔王』を穿たん!!」
故に彼らは戦う。ブリューヌの民を救うために。ティグルの正義を立証するために。陛下のために。
何より、『時代は俺たちを必要としている』という、拠り所を示すために――
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
――果敢に突撃する姿は当然、銀の逆星軍にも確認されていた。
斥候の報告がグレアストに届く。
「右翼から敵の突撃!分断を目的とした進撃かと!」
スティードは静かに警告する。このままでは層の薄い『三日月』では瓦解するのは目に見えている。
「グレアスト卿――これは分が悪いのでは?」
「まさか?ここまでは想定の範囲内ですよ、スティード卿」
ナヴァール騎士団の陣形が『二又の槍』となって左右挟撃するのも織り込み済みだ。迎撃部隊には既に射撃準備を命じてある。
それからグレアストは爬虫類を思わせるねっとりとした声で告げる。
「『ジュウ』の威力と物量の差を思い知らせて差し上げる」
獅子をも殺す何万何千の『閃光蜂』の地獄が、彼の黒騎士を殺すだろうと予言するグレアスト。
鉄の鉛弾を打ち出す人員の正体は、かつてテナルディエ派に降伏してきたガヌロン派の貴族諸侯だった。それは彼自身が『首をはねるにも手間がかかる』と一瞥した人々だ。
だが、ガヌロンの腹心であるグレアストは、その『手間のかかる連中』を配下に加えた。
『魂はいらん。代わりに弾をもらう』と付け加えて――
そう――彼らは『飽和殲滅』を目的に編成された部隊なのだ。
「迫りくるナヴァールの騎兵共を、ことごとく屠れ――『時代遅れ』の連中を震撼させ、ビルクレーヌの包囲網を解け」
すぐ脇にたたずむテナルディエ本人の言葉。間を置かずして下されるは
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ