第六話 バルバトス
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をモビルアーマーに向かって投げ付けた。そして、アイツの後半に移動っと。
ガンッ。残骸はモビルアーマーの翼に直撃した。
モビルアーマーは後ろに振り返り、何処から放たれた物かを探す。
モビルアーマーって、頭悪いな。
狂気じみた性能の兵器なのに、思考回路は子供並み。こんなんで撹乱されてるんじゃ、俺は一生捕まらないよ。
すぐさまモビルアーマーの背後に移動し、切れ味を失った太刀を叩き付けた。
その瞬間。
「────────────────」
それは誰の声なのか。とても人間の声とは思えない。
頭に響き渡る誰かの何かの声。
「な、んだ、」
その声は耳を塞いでも聴こえてくる。
この声、まさか────。
その一瞬が命取りだった。
モビルアーマーの尾が、俺に向かって放たれていた。
避けられない。
太刀で防ごうとするが、太刀の刃は無くなっていた。さっき叩き付けた拍子に折れたのか。
防ぎようのない攻撃。
もしかして、俺……死ぬ?
「────死なすかよ」
モビルアーマーの尾は弾かれた。
なんだ?何が、起きたんだ?
「離れてろ、コイツの相手は俺がする」
それは、バルバトスとよく似たモビルスーツだった。
白を基調し、二本の剣を携えていた。間違いない、これはガンダムフレームだ。
俺が、それを何故、ガンダムフレームと識別出来たのは解らない。
でも、これだけははっきりと分かる。
コイツは「敵」だ。
「無事か?」
通信。男の声だ。
「……うん、」
「なら、離れてろ。ここは俺が引き受ける」
そのガンダムフレームは両腰にマウントされている剣を引き抜き、モビルアーマーに向かって飛翔した。
モビルアーマーはそれを迎撃しようと尾を使って多々落とそうとするが。
「遅せぇよ」
ガンダムフレームは両手の剣で尾を弾き飛ばした。
あんな、細い剣で、アイツの尾を弾けるなんて。
ガンダムフレームは背中のブースターを使用し更に加速する。そして両手の双剣でモビルアーマーの装甲を斬り裂いた。
傷を付けるだけで精一杯だった、あの装甲をあのモビルスーツはいとも容易く斬り裂いたんだ。
「アレは……」
それを見たグレイズのパイロットも困惑している。
「これは……一体、どうなってるんだ?」
「さぁ、俺も解んない」
「アレも、ガンダムフレームなのか?」
「さぁ、多分そうだと思うけど」
圧倒的過ぎるだろ。
そのモビルスーツの動きはバルバトスの比じゃない。動きが素早いとか、建物を利用して撹乱とかじゃないんだ。アイツは、飛んでモビルアーマーと対峙しているんだ。
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