第六話 バルバトス
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そう言って、滑空砲の弾丸は放たれた。
……。
…………。
……。
へぇー。凄いなぁ。
初めてモビルスーツに乗った。そして、初めてモビルスーツを操縦するのに俺は普通に、このバルバトスを操縦していた。
まるで、コイツと一体化したみたいにバルバトスは俺の思い通りに動いてくれる。
だけど、左脚の操作は少しタイムラグを感じた。
一瞬、ほんの一瞬、バルバトスの左脚の動作が遅れる。戦場では、その一瞬が命取りになるとよく言われてるけど、そんなの関係ない。遅れると解ってるなら、それより早く動けばいい。それだけだ。
モビルアーマーの動きを観察し、攻撃を予測する。
モビルアーマーは巨大な尾を叩き付ける動作を見せた。
なら、ここは距離を取って回避する。そして滑空砲を構え、モビルアーマーの頭部に狙いを定める。
そして、俺は何の躊躇もなくトリガーを弾く。
滑空砲の弾丸は凄まじい速度で放たれ、モビルアーマーの頭部に直撃した。
だが、ダメージは殆どない。
バルバトスの慣らしに、色んな部位を攻撃してモビルアーマーの様子を伺ってみたけど反応は薄かった。これじゃあジリ貧だ。いくら攻撃してもダメージが無いなら攻撃する意味がない。
「コイツ……硬いな、」
唯一、攻撃して効果があったのはモビルアーマーの背面装甲。あそこは全身の走行の中で一番、装甲の薄い部位だ。あそこを積極的に狙えば倒せるか。
「バルバトスのパイロット!」
通信?この声は、あのグレイズの人か。
「なに?」
「あのモビルアーマーは人間を狙っている!
この市街地からもっと離れるんだ!」
モビルアーマーの最優先攻撃対象は人間ってオヤっさんも言ってたな。でも、それは大丈夫そうだ。
モビルアーマーの目はコチラを向いている。オヤっさんの言ってた通り、このバルバトスはモビルアーマーの攻撃対象のようだ。
ガンダムフレームはモビルアーマーに対抗する為に造られた兵器。モビルアーマーをコイツを見て、最優先攻撃対象をバルバトスに移した。これなら俺がやられない限り、ここの住民達に攻撃されることは無いだろう。
「大丈夫、コイツの狙いは俺だから」
「どういう意味だ?」
「説明はしない。面倒だから」
「おい!なら、責めてここから離れろ!こんな街中で戦闘したら────」
「駄目だ。ここからは離れられない」
建物の陰に隠れ、距離を取る。
「何故だ!」
「ここはアイツにとって不利な所だからだよ」
「なんだと?」
「コイツの巨体じゃ、この街中は自由に動けない。いくらコイツの動きが速かろうと建物に囲まれたここなら小回りのきく、モビルスーツの方が有利だ」
建物を利用し、小刻みに移動し、バルバトスはモビルアーマーの背面を付く。そして、
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